テラーノベル
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ぱち、ぱちと_八幡宮は、ゆっくりと目を覚まし、ゆっくりと瞬きをした。
ここはどこだ_そう考えているうちに、宇宙のような空間に似つかわしくないほど 真っ白な男のシルエットが、ぼんやりと八幡宮の目の前に立っていることに気がついた。
_いや、浮かんでいると言えるのだろうか?
「…どう?”空の向こう”の景色は。」
まるでガラスの空間の中にいるようだ、下には無限の闇が広がっているというのに、平然とこの場所を歩けている。
見渡すと、 灼熱の惑星の周りを、複数の星が旋回している。
それ以外にも、複数の星が大きな星に衝突しては、爆発を起こしていく。
あまりに神秘的な”空の向こう”に、八幡宮は圧倒されてしまう。
_八幡宮は気がついた。
_ここは宇宙なのだ、と。
驚く程に規則的だ、はるか遠くに見える星々は、もっと不規則だったというのに。
「…」
八幡宮は圧倒されていた。
彼女の見ていた宇宙ばかりに目がいって、それがあまりにつまらないものなのだと思い込んでいたからだ。
「…どうして、こんな…」
「こんな景色…私は全く、見れなかったのに…?」
呆然と見渡す八幡宮へ、かみさまは静かに行った。
「あぁ、ここかな。」
白い人影が雲のようにふわふわと不定形さを保つ。
かみさまは言った。
「…”太陽系”…だよ。」
「写真はどこかに残っているはずだけれどね。」
かみさまはぼんやりとしている雲のようだが、こちらを確かに向いている_ということは、そう思わざるを得ないほど明確であった。
「まぁ…こういった場所を歩いてもらうのは、君が初めてかもしれないけれど。 」
「…銀河は、あまりに広かった。」
「…太陽系ですら、今住む星からは何光年と離れてる。 」
八幡宮は悔しそうな表情をして俯きながら聞いた。
「私は…宇宙に憧れてた。」
「それだけじゃ…ダメだったの?」
「…私は、なんでこの場所に行けなかったの?」
「…広いくせして、危険すぎるから…そう言えばいいかな?」
「まぁ…リィン・システムがある今は、苦しむ代わりに…宇宙くらい漂えるかもしれないね。」
「誰か一人くらい…行こうとしなかったの?」
「私以外、誰も…?」
かみさまは少し考えたのち、困ったような声色で言った。
「…俺に聞かれてもなぁ、誰も興味なんて持ってなかったんじゃない?」
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「…は、八幡宮さん!!?」
八幡宮は空に引っ張られたかと思うと、忽然と姿を消してしまった。
八幡宮を刺した枝に、付着した八幡宮の血が残っていることで_レイラーは彼女の存在を認識する。
だが彼女の呼吸の跡だけはどこにもなかった。
レイラーは思わず駆けた。
「どこ!?どこに行っちゃったんですか!?」
向こうへ走って、手を伸ばせば届くのではないか?
レイラーはそう思い、星々が輝く方へと向かおうとした。
草原と土を踏みしめる音だけが、ただ響く。
そこに他の足音_ましてや呼吸の音すらも、何も聞こえない。
_ただ風が吹いているだけだ。
レイラーの下ろされた髪が揺れた、そして夜の闇を反射したレイラーの髪は、まるで深海に差し込む1つの光のようであった。
どこにもいない彼女を探さなくては、あの星に向かわなくては行けないと思った。
「…ねぇ!!!置いていかないでくださいよ!!」
そう叫ぶレイラーの声は、ただ広がる草原に木霊するのみであった。
ひゅう、と強い風がレイラーに向かい、思わずよろめいてしまう。
レイラーは草原に倒れ込み、星々を見上げた。
「もうわかんない!!わかんないよ…!!」
彼女の叫びは、届くことはなかった。
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2人は、静かすぎる宇宙を歩いていた。
「この場所は…奇跡みたいな確率で生まれたんだ。」
「…はぁ、奇跡みたいな?」
「あぁ、何億以上の奇跡があった。」
かみさまは1つの星に近づいた。
「…ここは…」
八幡宮は聞く、するとかみさまはゆっくりとそれに触れ、口ずさむように言った。
「…これは”金星”…まぁ、すごく明るい星って覚えてくれればいいかなぁ。」
「…きんせい…」
「私から見た宇宙は、星は何もかも遠くて、それが球体なのか、また別の形なのかすら分からなかったのに。」
「こんなにあっさり…触れていいの?」
八幡宮は少しばかり悔しそうな顔をした。
だがかみさまはそんな八幡宮に目もくれず、静かに触れつづけていた。
「…目的はなんなの?どうして私を宇宙に連れてきたの!?」
「…こんな強引に…!」
八幡宮は混乱をぶつけるように神様に問いかける、だがかみさまは動揺もせず、少し笑っているかのような声で言った。
「…君が望んだんでしょ、宇宙を知りたい…って。」
八幡宮は遮るように言った。
「違う…!私はもう…」
「きょうみ…error、▋▋▋▋書き換えを確認、思考プロセスを修正します。
八幡宮は言いかけた途端、頭を強く押さえた。
「…は!?」
途端、八幡宮の思考は宇宙、そしてリィン・システムでぐちゃぐちゃになり、今にも倒れそうになる。
「…どう?宇宙の景色は。」
「………」
八幡宮の口は勝手に動いていた。
「…きれい。」
「…美しくて…壮大で…」
「…はは、そうだろ。」
「…??」
八幡宮は混乱していた、頭と口が噛み合わないことに気持ち悪さを覚えた。
思わず口を抑えた、なにか変なことを言ってしまうような錯覚に陥った。
そして、かみさまに対し_あまりに漠然としていて、それなのにそれを言語化出来ない_そんな恐怖を覚えた。
_彼が何者かも分からない、彼が生きているのか、タヒんでいるのかすらわからないのだ。
どうして宇宙に存在できて、人を強引にこちら側へ連れ出せているのか_
_何もかも分からなかった。
「…どうしたの?宇宙の見学は終わりかな?」
「…っ」
八幡宮は声を出せなくなっていた。
_何かが起こったわけでもなかった、それなのに_恐怖が頭を支配して、この場所の輪郭すら見たくないと強く願ってしまう。
それなのに、それなのに_あまりに綺麗で、あまりに壮大で_
_あぁ、どうして!?
どうして矛盾している!?どうして見たくない!?
(…わからない、分からない…)
(…ここは…なんなの?アイツの目的はなんなの!?)
(ぁあああぁああっ!!!意味わかんない!!)
かみさまは八幡宮の怒りなんて気にもしていないようで、遥か向こうへと八幡宮を案内していた。
_彼は、別の星に案内したいようであった。
「そうだなぁ…次は…少し小さいけど、あの星に案内してあげるよ。」
かみさまはそう言って、小馬鹿にするように笑ったような_そんな気がした。
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