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雨の日特有のズキリとする頭痛で目が覚めた。
「痛っ…」
ズキズキとした継続性のある痛み。
そこを押さえれば脈打っている。
「…、ッッ…」
眠って耐えようかと目を閉じるが痛みは増すばかりで。
「ぅ゛…」
やはり頭痛薬でも飲まないとどうやらダメなようだ。
我慢できる痛さではない。
「…どこにしまったっけ…」
病院は嫌いだから市販薬のよく効くものを買って飲んでいる。
あの匂いと雰囲気とかが嫌いで極力行かないようにと、我慢することに慣れてしまった。
「ぁ、そういや帰ってからなんも食ってねーや」
胃を痛めるから何か口にした方がいいのだろうけど、生憎食べる気力も何かを買ってくるのも頼むのも億劫なくらい、痛い。
「…ま、いっか」
いつものことだし。
ベッドのサイドチェストにしまった頭痛薬を規定量より少し多めに出し、上に置いていたぬるくなったペットボトルの水で流し込む。
「…はぁ…」
物語作りや、脚本作りでついつい徹夜したり食事を抜かしたりしてしまう。
そのせいでぶっ倒れることも一度や二度ではない。
その度に怒られて二度としないように約束させられる。
そのやりとりも一体何度しただろうか。
「まぁ、バレなきゃ怒られないか…」
目元の隈も化粧を使えば消すことはできる。
ご飯は食べてると嘘をつけばいい。
自慢ではないが嘘をつくのは上手だと思ってる。
バレるのはだいぶ経ってからだ。
それこそ倒れたり、体調をめちゃくちゃ悪くした時に。
「はやく、おさまれ…」
再びベッドに横になり、天井を見上げた。
真っ暗な部屋。
ズキズキする痛みは外から聞こえる雨音のせいで余計に酷くなっていくように感じる。
「…また薬変えなきゃかな」
出来れば、薬も飲みたくはないがこればかりは頼らざるを得ない。
「……」
目を閉じて、痛みを意識しないよう別のことを考える。
「……」
そしてふと、思い出した。
今日のあれはなんだったのだろう。