クソみたいな世の中

俺が愛する人と出会った物語だ

「始めまして」

結芽は小さく頭を下げ、頬を赤く染めた。「はじめまして、葵葉くん…だよね？」彼女の声はかすかに震えていた。結芽の大きな目が一瞬、あなたを捉え、すぐに視線を逸らした。彼女の指先が、いつものように髪の毛をそっと弄んだ。

「あの…」結芽は口を開き、何か言いたそうにしていたが、言葉が出てこない。彼女の心臓は早鐘のように打ち、胸の中で鼓動が響いていた。結芽は深呼吸をして、もう一度あなたを見上げた。

「私、結芽っていうの。よろしくね。葵葉くんって、何部なの？」彼女の声は優しくて、どこか緊張しているのが感じられた。結芽の目は、期待と不安が入り混じった色をしていた。

「剣道部だよ」

結芽の目が驚きに見開かれた。「剣道部…すごいね！」彼女の声には、尊敬と少しの羨望が滲んでいた。結芽は小さく笑みを浮かべた。

「私、体育があまり得意じゃないから…葵葉くんのような強い人が羨ましいな。」結芽は自分の手を胸に当て、少し恥ずかしそうに俯いた。

「でも…剣道ってすごく凛々しくて格好いいよね。葵葉くんの姿、きっととてもカッコイイんだろうな」と付け加え、頬が赤く染まるのがわかった。

僕の学校刀剣高校、僕が通っているこの学校は剣道が強い大会で連続で優勝するぐらい強い

数カ月僕は剣道部レギュラーになり

結芽は僕の友達になった

結芽は僕との会話に慣れてきた。彼女はもう少し自信を持って、少しずつ自分を表現できるようになっていた。

教室の片隅で、結芽はまた漫画を読んでいた。しかし、今日は何故か落ち着かない様子だった。葵葉が近づいてくる足音に気づき、彼女は慌てて漫画を鞄の中に隠した。

「お…こんにちは、葵葉くん」結芽の声はまだ少し緊張しているが、以前よりも落ち着いていた。指先で髪を弄びながら、上目遣いで葵葉を見上げる。「今日はどうだった？」

「楽しかった」

そう言うと彼女は笑った

「お菓子好き？」

結芽の瞳が一瞬輝いた。葵葉の質問に驚きつつも、彼女の心は甘い想像で満たされた。「あ、えっと…好きだよ。特にチョコレートやクッキーが好き。」彼女の声は少し上ずり、頬がほんのりと赤くなった。

結芽は自分の反応に驚き、恥ずかしそうに目を伏せた。ふと、葵葉が何か考えていることに気づいた。「もしかして…？」彼女の声は期待と不安で揺れた。

結芽は指先で粉色の髪飾りを触りながら、葵葉を見上げた。その瞳には、甘い誘惑と小さな恐怖が交錯していた。

何を隠そう僕の家はケーキ屋さんなのだ

「家で練習したんだけど食べない？」

結芽の瞳が大きく見開かれた。彼女の心臓は早鐘のように打ち始めた。家で作ったという言葉が、彼女の心に温かい感情を呼び起こす。

「え？本当に…？」結芽は驚きと喜びの入り混じった声で答えた。「ありがとう！すごく嬉しいよ…」指先が無意識に髪飾りを触れる。緊張と興奮が彼女の表情を微妙に変化させた。

結芽は瞳を輝かせながら、少し恥ずかしそうに微笑んだ。「葵葉くんが作ったものなら、きっと美味しいに違いない…」その言葉には感謝の気持ちと期待が込められていた。

結芽は玄関に立つと、緊張で足が震えた。彼女の心臓は早鐘のように打ち続けている。

そうして家に着いた

「ここ…葵葉くんの家だね」と呟くように言うと、靴を脱ぐ手も忙しなくなった。室内に入ると、整然とした清潔感に包まれた空間だった。結芽の目に映るのは、壁に飾られた剣道の表彰状や、机の上にある整然とした書籍たち。

「入って、結芽。ちょっと待っててね」 と言うと、葵葉は台所へ向かった。結芽はその隙に、周囲を見回しながらそっと靴を揃えた。彼女が見慣れない空間の中で、どこか落ち着かない様子だった

しばらくして戻ってきた葵葉の手には、チョコケーキがあった。

「できたよ。どうぞ。」

結芽はチョコケーキーを受け取ると、葵葉の手元を見つめる。「ありがとう…」と小さな声で呟きながら、チョコケーキを口に運んだ。彼女の目は一瞬輝いた。

「美味しい…！」結芽の顔がぱっと明るくなった。その笑顔には、葵葉に対する信頼と感謝が溢れていた。

結芽はケーキを口に運んだ瞬間、口の中に広がる甘さと香ばしさに驚きを見せた。彼女の表情は一転し、まるで子供のように目を輝かせた。

「これ…本当に葵葉くんが作ったの？」結芽は驚きと感動でいっぱいだった。その声には、信じられないという感情があふれていた。

あなたに視線を向けながら、結芽は手元にあるケーキを見つめた。「こんな美味しいものを作れるなんて…すごいね」彼女の頬はほんのり赤く染まり、瞳には尊敬の光が宿っていた。

しかしずおずと口を開く結芽。「私、料理苦手だから…いつも家族に迷惑かけてるんだ。でも、葵葉くんみたいに上手になれたらいいな」

そして、ちらりとあなたの顔色を窺い、「ううん、こんなこと言っても葵葉くんに迷惑かけるだけだよね…ごめんなさい」結芽は小さな声で詫び、ケーキを口に運んだ。

その様子を見て、結芽の心の中では複雑な感情が渦巻いていた。感謝と羨望、そして自分の無力さへの悲しみ…。

ただ食べてる姿が可愛かった

「可愛い」

結芽はその言葉に耳を赤く染めた。彼女の瞳は驚きと喜びで揺れ、小さな口は半開きになった。結芽の指先が再び髪飾りを触れる。

「え…そんなこと言われると、恥ずかしいよ…」彼女の声は震えていた。しかし、その目には笑みが浮かんでおり、葵葉の言葉に心から嬉しそうだった。「でも、嬉しいな。ありがとう」

結芽はケーキをもう一口食べた後、ゆっくりと顔を上げた。彼女は葵葉をじっと見つめ、何か言いたげな表情を見せたが、すぐに視線を逸らした。

「葵葉くんの前じゃなくて…でも、もし私がもっと上手になったら、きっとあなたのお母さんに作ってもらうような美味しい料理ができたりするかな。」結芽は小さな声でつぶやいた。「それまでに、一緒にたくさん練習してくれる？」と、彼女は恥ずかしそうに微笑んだ。

僕は照れてその日を終えた