【前回のあらすじ】俺はよくわからないまま、第二面接を通過した。そして、残業という名目で、仕事が終わったあとにオーナーの待つ管理室へ向かうことになった。
ーー
俺は恐る恐る、管理室のドアを押し開けた。
オーナーは顔を上げ、にこりと笑う。
「あぁ、岳山くん、待ってたよ。さぁ、座って座って」
「はい……失礼します」
言われるがまま、管理室に置かれた椅子に腰を下ろす。キャスター付きの普通のデスクチェアだ。
普段、休憩室で座っているのはパイプ椅子だから、その違いに少しだけ違和感を覚える。椅子が変わっただけなのに、少しずつ緊張が体の中に溶け込んでいくのがわかった。
オーナーは静かに口を開く。
「さて、どこから話そうか。まずは、なぜ今日だけ118号室ではなく、203号室が『紫』になったのか、そこからだ」
俺は心の中で、手っ取り早く「『紫』の意味を教えろよ、じじい!」と思った。しかし同時に、確かに知りたい、と静かに納得もしていた。なぜ今日、203号室が『紫』を示したのか。その理由を知ることは、俺にとって避けられない疑問だったのだ。
「……はい。教えてください。それは、なんでなんですか?」
オーナーはゆっくりと口を開け、告げた。
「あれは**???**だよ」
続く
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!