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文化祭も終盤。
校庭ではキャンプファイヤーが始まっていた。
炎が揺れる。
歓声が上がる。
俺も向かおうとした、その瞬間——
腕を掴まれた。
💚「佐久間くん…やっと話せる」
振り向くと、阿部。
🩷「阿部くん!お疲れさま!」
💚「二人きりにならない?」
🩷「……うん」
⸻
誰もいない教室。
電気は消えている。
窓の向こうで、炎が揺れている。
赤い光が、阿部の横顔を照らす。
💚「ダンス、すごかった」
🩷「急だったし焦ったけど……
成功してよかったわ…」
💚「……妬けるなぁ」
🩷「え?」
💚「女子たち、すごかったよ」
💚「佐久間くん、人気者」
🩷「そ、そんなこと……」
笑おうとした瞬間。
💚「俺のもとから離れないでね」
手首を掴まれる。
少し強い。
🩷「……!」
💚「嫉妬で、おかしくなりそう」
目が、さっきまでと違う。
炎の赤が、瞳に映る。
🩷「ちょ、ちょっと落ち着いて」
後ずさる。
気づけば窓際。
距離が、ない。
阿部の顔が近づく。
咄嗟に、顔を逸らしてしまった。
💚「……嫌だった?」
声が低い。
🩷「違う、びっくりしただけ」
心臓が速い。
💚「早く、触れたい」
顎に指がかかる。
そっと。
触れるだけのキス。
💚「かわいい」
💚「好きだよ」
その目は、
甘いのに、どこか切羽詰まっている。
🩷「阿部くん……怖い」
その一言で、
空気が止まった。
💚「……」
手が、ゆっくり離れる。
何も言わず。
振り返らず。
静かに教室を出ていった。
窓の外で、炎が大きく揺れる。
🩷(どうしよう…)
俺はすぐに後悔したーー
つづく。