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そっと両腕を広げて彼の背中に回してみせる。簡単に「いいわよ」なんて言える訳なくて……これが今の私に出来る精一杯の返事なのよ。
それはちゃんと聖壱さんにも伝わったみたいで、彼は私の身体を少し強めに抱きしめてくれた。
「大事にする、香津美は初めてだし出来る限り優しく抱くから……」
「誰もそんな事……きゃっ!」
こんな時に余計な事は言わなくていいのに、どうしてそういう事まで言っちゃうのよ? 恥ずかしくて怒って反抗しようとしたのに、聖壱さんにそのままの体勢でベッドに押し倒されてしまって……
「じゃあ香津美は手加減しなくてもいいのか? 泣いても知らないぞ?」
ちょっと待ってよ、泣いても知らないぞって……? 抱き合うことは私が泣くような行為なのかしら、いままでそんな風には聞いた事が無かったのだけれど。
「それじゃあ、聖壱さんは私を泣かせたいの……?」
「……ノーコメント。今の香津美にはそこまでは教えられない。今、本音で答えて香津美に嫌われたくはないから」
どうして? 聖壱さんの言い方じゃ、いつか私を泣かせたいのだとしか聞こえない。さっきは出来るだけ優しくすると言ったくせに……聖壱さんって少し意地悪だわ。でも……
「そうね。初めてだから、全部聖壱さんの言う通りにするわ」
そうやって強気に微笑んで見せる。ちょっと意地悪されたくらいじゃ、オロオロするなんてみっともない所は見せないんだから。
「このやろ……そんな事言われたら、思い切り優しくするしかないだろうが」
ふふふ。そんな事言っているけれど、私がどんな返事を返したって優しくするつもりだったんでしょう?
でもね、本当に聖壱さんになら少しくらい酷い事をされたってかまわない。それくらい真っ直ぐに貴方の事を受け止めたいって思っているのよ?
頬を撫でる聖壱さんの手がそっと首筋へと降りていくから、私は体の力を抜くように「はあっ……」と息を吐いた。私にとっては初めての事ばかり、緊張しない方が無理だもの。
首筋を何度も往復していた大きな手が、私の顎に触れてそっと顔を上げさせる。私は何も言わず瞼を閉じた。
唇に触れる柔らかな彼の感触。こんなにじっくりと味わうようなキスをするのは初めてで、今までで一番ドキドキしたかもしれない。
何度も触れた後、そっと私の中まで侵入してくる彼の熱に、私は慣れないまま必死で応えることしか出来なかったの。
想像よりも激しいキスに翻弄され、上手く息も出来なくて……彼の唇が離れた頃には私はトロンとした目をしていたかもしれない。それくらい聖壱さんとのキスは気持ち良かった。
「……|香津美《かつみ》、その顔凄くエロい」
「私にそういう顔をさせているのは、聖壱さんでしょう?」
聖壱さんの欲情した表情に戸惑いながらも、強気な返事をする。けれどそんな私の答えも、聖壱さんを喜ばせるだけで……
「もう、脱がせるから」
そうれだけ言うと、彼は私のシャツのボタンを一つずつ外し始めた。
ボタンが外されて私の身体から白いシャツが奪われる。そのままスカートのホックも外され脚からスルリと抜き取られてしまったの。
私の身体に残されたのは白のブラとレースのショーツだけで……恥ずかしくて思わず手で隠そうとしてしまう。
「隠すな、俺には香津美の全てを見る権利があるだろ?」
そう言って聖壱さんは少し乱暴に私の両手首を捕まえてをシーツに縫いとめてしまう。そのまま空いた手で、ホックを外しブラを奪い取るとベッドの下へと落としてしまった。
冷気に触れツンと尖ってしまった先端も、丸い柔らかな膨らみもすべて彼に見られている。なにかよく分からない感覚に襲われて、戸惑っていると聖壱さんの手が私の胸に触れた。
最初は肌触りを楽しむかのように優しく、そして胸の形が変わるほどに彼は私の胸を揉みしだいた。何度も何度もそうされると、次第に身体の奥から熱くなってくる。でもそんな風に変化する自分の身体が、なんだか怖くて……
「ヤダ……聖壱さん。もう、止め……」
「こら、まだ始まったばかりだろうが。怖がらないでちゃんと俺に愛されろ」
そんな事言っても分からないわよ。聖壱さんに愛されたいとは思っているけれど……
聖壱さんはそんな戸惑う私に優しく口付けると、今度は胸の尖りを指で摘まみクルクルと弄り始めてしまう。
普段自分で触れることがあっても、こんなむず痒い様などうしようもない感覚はないのに……聖壱さんに触れられ弄られるたびに身体が反応してしまう。
彼はその感覚を私に覚えさせるように、何度もソレを繰り返すから困ってしまって。
「やぁっ……あ、んっ……んっ……」
甘い声が漏れるのが恥ずかしくて必死に耐えようとするけれど、聖壱さんは私を攻める手を止めてはくれない。それどころかもっと啼けとでも言うように執拗に敏感な部分を攻めてきた。
「あ……だめだって、んんっ……言って……やんっ!」
反抗しようとすると指で尖りを弾かれてしまって、声がだんだん我慢出来なくなっていく。何度も胸や首筋に触れられているうちに、下半身が熱くなってきたような気がして……
「聖壱さん、ダメ……私、何かおかしい……」
身体が私の意思を無視して勝手に熱くなっていくことに戸惑い、どうすればいいのか分からず聖壱さんに助けを求めてしまう。私をこんな風にしているのは彼なのに。
「香津美は何もおかしくない、今は香津美が感じる気持ちいい事だけ集中するんだ」
「そんな……っ、あっ……!」
聖壱さんは優しい声で私に囁いたかと思うと、私のショーツの上をその長い指でなぞり始めてしまった。下着越しでもはっきりと感じる彼の指の感触と快感……
何もかも初めての私はそのすべてに戸惑い、とうとうポロっと涙を零してしまった。