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「ん,,,,?」


目が覚めるとそこは知らない,,,,いや、一度見たことのある部屋だった。どの位の間眠っていたのだろう?


そんな事を考えていると、自然と足元に目がいった。そこには前に壊す事の出来なかった鎖が余裕そうな顔をして左足にくっ付いていた。すぐに鎖から目をそらす。辺りを見渡す。相変わらず質素な部屋だ,,,,


【ズキッ】


突然の痛みに顔をしかめる。頭がズキズキと痛む。そういえば殴られたなー,,,,,と 他人事のように気絶する前の事を思い出す。頭に手を当てるとそこには包帯が巻かれていた。指先が少し傷に触れるだけで、物凄く頭が痛む。自分で傷口を見る事は出来ないが、相当酷い傷だろう。


ふと、異能の事を思い出した。前は異能無効化とかいうふざけた薬のせいで使えなかったが今は使えるんじゃないか?流石のそんな薬でも一生効果があるわけでは無い。期待を胸に膨らませながら鎖を握る。


「はぁ,,,,」


そんな短いため息を溢す。期待を膨らませた胸はすぐに萎んでいった。前と同じように異能は使えないし、手に力も入らない。さっきも思ったように薬は一生続くものじゃない。多分だが、気絶してる間に薬を飲まされていたのだろう。いつ起きても良いように。


こうなったら、部屋の中にある物で鎖を壊してここから出るしか手は無いだろう。ベッドから降りようと地面に足を付ける,,,,


【ズキッ】


もう一度気絶したくなるような痛みが頭に走る。


「う“ぅ,,,,」


低く唸る。ベッドの枕元に座り込み体を縮めながら頭を下に抱え込む。数分が経ち、痛みが少しずつ和らいできた。壁に手を付けながらベッドからゆっくりと、立ち上がる。


【シャラ,,,,】


足に付いている鎖がそんな音を立てる。   耳障りな音だ,,,,


出来るだけ頭に振動がいかないように、ゆっくりと歩く。机の上には何も無い。木製の机と椅子に鉄の鎖が壊せるとは思わない。


窓に目をやる。俺の身長じゃ皮肉にも届かないが、椅子の上に乗れば届くかもしれない。だが、手の平一つを大きく開いた位の小さな窓に大の大人が入るわけがない。窓から逃げるのは無理だろう。


ガラスの破片で鎖を壊す事は出来るのか?そんな事を考えていた。だがその考えはすぐに否定される。もしも仮に窓が割れたとしよう。でもそれは部屋の中から外に向かって何かで壊すのだ。だからガラスの破片のほとんどは、外に出ていってしまうだろう。


さっきの机、椅子と同じ木製のクローゼットは開かなかった。 蹴って開けようとしたが、やはりこれにも力が入らない。


頭痛が酷く 意識がボーっとする,,,,


そうとなれば次は、他の部屋に繋がるであろう扉だ。壁に手を付けながらも一直線に扉に向かって行く。どうせ開いて無いだろうと半信半疑になりながらドアノブを捻る。


【ガチャ】


「開いた,,,,?!」


そんな言葉が溢れる。やっとここから出られる!勢い良く扉を開ける。


「えっ,,,,?」


それはまるで怪我をしていた蝶の羽がやっとの思いで治り、それを喜んで思い切って飛び立ったその先が既に人の虫かごの中だったような、喜びからの一気に絶望に叩き落とされたような声だった。扉の先にはトイレやお風呂場があった。う,,嘘だ,,,じゃあ、一体どこに出口があるん,,,だよ?


【トン】


【ビクッ】


肩が思い切り跳ねる。ボーっとしていた意識が一瞬で正気に戻る。肩に生暖かい“何か“が乗っけられる,,,,それはまるで人の手のような,,,,


「中也くん?何をしてるんだい?」


【ヒュッ】


情けないそんな音が喉元から小さく鳴る,,


顔が一気に青ざめる,,,,


ゆっくりと後ろを振り向く,,,,


そこにはリビングらしき所に繋がる扉とそれを遮るように扉の前に佇む太宰が居た,,,一見笑っているように見えるが、完全に目が笑っていない,,,,


「何をしてるんだい?」


さっきよりも強い口調で言われる。


「え,,,,なっ何って,,,,と,,,,トイレだよ!」


我ながらバカな事を言ったという自覚はあるこんなに動揺しといて “トイレ“ だなん


「そっか!ごめんねびっくりさせちゃって 中也、すぐに逃げようとするから,,,, てっきり逃げようとしてるのかと思ったんだよ」


て,,,,ッて!え?それに納得するのか?俺からすればそっちの方が都合は良いが,,な、何か企んでいるのか? いや,,,さっきと違って太宰の顔が満面の笑みになっている。なぜか逆に背筋がゾッとする,,,


「それより中也くんお腹は空いてないかい?君、丸一日ずっと寝ていたんだよ?」


「はぁ,,,,誰のせいだと思ってんだ?」


「わーたーしっ!」


そう言いながら太宰は俺を軽々と抱きかかえる。


「は,,,,?ちょ!降ろせ!糞太宰!」


「はいはーい!中也くん、君はもうちょっと身長を伸ばした方が良いよ」


「もうこれ以上伸びないんだよ!余計なお世話だ!」


「そんな中也くんには,,,はい!牛乳!」


無理やり椅子の上に座らされたと思えば、目の前に目玉焼きを上に乗せたトーストとコップ一杯の牛乳を置かれる。トーストは良いとしよう,,問題は牛乳の方だ!身長が低い事をバカにしやがって!一回でも良いからおもいっきり蹴りを入れてやりたい!


頭の痛みよりも太宰に対する怒りの方が断然に勝つ!


「ほら?牛乳飲んだら少しは身長伸びるんじゃない?」


「あ“ぁ?」


怒りがピークに達し、ムキになりコップ一杯の牛乳を勢い良く飲み干す。ガンッと大きな音を発て、コップをおもいっきり机に叩き落とす。もしも異能が使えていればきっと全て粉々になっていただろう。


「バカだねー 、本当に,,,,勝手にムキになっちゃって。 “ まなぶ “って言葉知ってる?ここに連れて来られる時もこうやって飲み物に薬盛られたのに,,,,」


机に顔をうつぶせながら中也はぐっすりと眠っている。


「本当は知ってたよ?君が出口だと思ってそこの扉を開けた事。顔でバレバレ。中也が起きてから今までずっとカメラで見てたから、中也が初めてそこの扉を開けた事も知ってるからね?中が何か分からない状態にしては、まぁまぁな言い訳だったんじゃない?」


まるで割れ物を扱うかのように優しく中也を抱きかかえベッドに戻す。風邪を引かないように、しっかりと布団をかける。


上を向いて寝ている中也の頭に優しく手をあてる。


「そんなに痛かったかい?強く殴ったつもりは無いんだけどな,,,,フフッ」


悪魔の笑みを浮かべた太宰は中也の耳元で小さく囁く。


「逃げたかったら逃げても良いんだよ?ま、無理だと思うけど。もし逃げたら私も中也くんにそれなりの事はするからね?“もう逃げたくならないような絶望を与える“とか,,,」


ほんのりと光が差し込む部屋の中には、笑いながらベッドの上に寝ている人の髪の毛を触っている悪魔が居た,,,,



中也からの太宰に対する想い,,,【0%】



終わり! 続く!☆

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