テラーノベル
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コルセットを付けていれば結構歩いても肋骨が痛まなくなったので、千歳との朝散歩兼おばあちゃんに送る花の写真撮りを再開した。しかし。
「日は低くなってるけどさあ、秋とは思えない気温だねえ」
俺は千歳(朝霧の忌み子のすがた)にぼやいた。
『本気の夏よりはマシだけどな、いつまで残暑なんだろ』
日陰はまだ過ごしやすいのだが、日向は相変わらず焼けそうな暑さだし、湿気もすごい。秋はどこへ行ってしまったのか。
それでも秋の花は咲く。俺達は近所の公園や花壇を巡って、赤紫のコスモスや、ピンク色のダリアなんかを撮った。
玄関にたくさん鉢植えを並べてある家の、プルメリアの花の紅とオレンジのグラデーションがきれいで、俺は足を止めた。
「これも撮らせてもらおう」
『あっ、これいい匂いするな!』
千歳が花に近づいて香りを嗅いだ。花に寄る千歳の横顔がきれいで、俺は思わずそのまま写真を撮ってしまった。
『あっごめん、ワシ入っちゃったか?』
「あ、いやその、大丈夫大丈夫」
千歳が入ったからよかったんだよ、とは、とても言えなかった。
#幽霊
凛道桜嵐 新
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がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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コメント
1件
第523話、拝読しました。「千歳が入ったからよかったんだよ」と言いたくて言えないもどかしさ、すごく分かります……! コルセットのおかげで散歩が再開できたこと、秋の花の写真、そしてふと撮った千歳さんの横顔。静かな日常の一コマに、優しい気持ちがぎゅっと詰まっていて、ほっこりしました。残暑の散歩、お二人ともお体に気をつけて続けてくださいね🌷