テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
tg視点
次の日の放課後。
昇降口を出ると、あっとくんが壁にもたれて待っていた。
at …来てくれて、ありがと
tg う、ううん……俺も、話したいって思ってたし…
あっとくんの頭の上には、**「6」**の数字。
昨日の「3」から、着実に増えているのが、怖くて、嬉しくて、苦しい。
at ここじゃ、あれだし……ちょっと歩こうか
tg う、うん…
並んで歩き出したのに、どっちも無言で。
話したいことが多すぎて、言葉が出てこない。
tg(でも……今日こそは、ちゃんと……)
at ちぐ、
不意に名前を呼ばれて、びくっとする。
立ち止まった俺の前で、あっとくんも足を止めた。
at 俺、昨日……言いそびれたこと、ある
tg え…?
at ちぐの数字、見てた。――ずっと、前から
tg(……っ!?)
一瞬、頭の中が真っ白になる。
at どんどん上がっていくの、見てた。でも、俺のはずっと0で……
at だから、言えなかった。俺にその資格なんてないって、思ってたから
at でも……今は…
at ――見えたんだ。数字、“1”
あっとくんが、俺をまっすぐ見て言った。
at ちぐが、俺のこと好きなのも知ってる。でも、俺は……
at ……ちぐの“850”に、ちゃんと応えられるようになってから、言いたかったことがある
at だから、これ……受け取ってほしい
そう言って、あっとくんがポケットから小さな封筒を取り出す。
at 明日、読んで。今日じゃなくていい
tg え、あ、っと、え…!
急に渡された手紙に、どうしていいかわからなくて、言葉がつまる。
あっとくんは、ふっと小さく笑った。
at じゃあ、また明日
そう言って背を向けるあっとくんの頭の上――
数字は**「9」**になっていた。
tg(……っ、そんな、急に……!)
残された俺は、手紙を抱えたまま、夕焼けの中にひとり立ち尽くしていた。
明日、あの手紙には何が書かれているんだろう――
♡▷▶︎▷▶︎2500