コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
うなだれたままで頷いて、「ごめんね……こんなことしたりして……」と、さらに頭を深く垂れた。
「……いいって、もう聞いちまったものは、仕方ないし。それより、おまえになんもなくてよかったよ…」
私を気づかうような優しい言葉がかけられて、思わず涙がこぼれそうになり顔を両手で覆った。
「ああ、泣くなって。責めるつもりなんてないから。おまえに泣かれたら、どうしたらいいのかわからなくなるだろ」
こぼれた涙が指ですくわれて、壊れものでも包み込むように、両腕にそっと体が抱き寄せられた。
「なぁ…ひとつだけ聞かせてほしい……」
「……なに?」と、銀河の顔を仰ぐ。
「……。……俺の過去話を聞いて、おまえは、俺を見る目が変わったりしなかったのかよ……?」
いつもの明るさのかけらもなく、そう心もとなげに訊いてくる銀河に、
「ううん…」
と、首を横に振った。
「……変わったりなんてしなかったから。銀河の気もちが痛いくらいにわかって、ただ切なくて……」
「……そうか」と、銀河が応えて、背中を抱く腕にギュッと力を込めた──。