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ドイツ視点
「ただいま、主」
「独、おかえり。どうしたんだ?」
俺こと、ドイツは自分のドールに無理やり帰宅させられ、今は、リビングで暇していた時だった。
俺のドールこと、独華が今まで俺が見たことないような、苦しそうで、悲しそうで、寂しそうな、そんな表情を浮かべて家に帰ってきた。
何時もは何でもかんでも笑い飛ばしたりするくせに、今日はそんな覇気すらなかった。
「いや、何でもない」
俺に、一度たりとも見せたことのない苦しそうな表情で、少し寂しそうにそう答えた。
今までに俺は、怒ったり、喜んだり、楽しんだりする独の顔は見たことがあるが、悲しんだり、苦しんだりする所は見たことがない。それはきっと、独が隠してきたからなんだと思う。だが、今日は、隠す気力さえもないような状態らしい。
そのまま独は無言で自室に帰って行った。
「大丈夫か?彼奴。ほんと、人に溜め込みすぎるな、なんて言えないじゃないか」
俺の言葉は、秒針の音が響く部屋に木霊した。