テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
*‥・うらら°🌱🐇☁・‥*
52
マカロン
6,333
耀聖(ようせい)
1,616
『まず、自然精霊は全部で5体。そのうちエルシアが契約していた精霊は私。ゼフィリア。リヴァレー……そしてライナの4体だ』
遠くで雷が鳴り響いている中、モラティの声が洞窟内でこだましていた。
「ライナ……」
エラリスがぽつりと小さく呟く。
『そう。雷の精霊ライナだな』
「どんな性格の精霊なんだ?」
フィニスがモラティに尋ねると、モラティは少しだけ間を置き、ゆっくりと話を続けた。
『うむ……なんというか……会話が成り立たぬ。それに、私は相性が良くないというか……余計に避けられている感があるからな……』
「会話が成り立たないって……大丈夫なんでしょうね?」
「っていうかゼフィリアならともかく、モラティが避けられるって意外だな」
「もしかして、精霊間にも属性の問題とかもあるんですか?」
ルシオ達の言葉にモラティが小さく頷く。
「属性ってなんぞや?」
首を傾げるフィニスに、ニティアがため息をついた。
「あんた……昔何度もジャヌスさんが言っていたじゃないの……」
その言葉にフィニスさんらしいですねと言って小さく笑い、アルテアがフィニスの問いに答えた。
「魔法には基本属性というものがあるんです。火・水・雷・土そして風の5属性。もちろん、これは基本属性の為、派生した属性もありますけどね」
「あぁ……なんかそんなこと先生も言ってた気がする……」
「水は火に強くて、火は風に。風は土、土は雷、そして雷は水っていう感じで、この基本属性はくるくる得意苦手が循環しているのよ」
「だから、雷属性の精霊、ライナさんは土属性のモラティさんのことを属性相性的に苦手としている……のかな?って思って、さっき聞いたんですよ」
そう言って笑うアルテアに、フィニスがなるほどと言った顔で頷いた。
「っていうことは、リヴァレーはライナのこと苦手なのかな?」
首を傾げるエラリスに、モラティは首を左右に振った。
『いや、リヴァレーはちょっとビリビリする……というくらいで、私に対するライナほど避けたりはしていない。そもそも、私だってゼフィリアに苦手意識を持ってはいないしな……まぁ、少しうるさいという意味では苦手ではあるが……』
モラティのその言葉に皆があぁ……と小さな声を上げる。
『それと、見た目だが、私たちのような見た目を想像しないほうがいいぞ。彼奴は……いや、もうこれ以上はよしておこう』
「色々聞かせてくれてありがとう」
エラリスの言葉に小さく頷くモラティ。
『うむ。お主達も無理はせぬようにな』
そう言い残すと、モラティは小さな光を全身から発し、消えてしまった。
「まぁ、ここにいるかどうかはさておき、どうすれば雷の精霊に会えるかだな」
フィニスが地面に寝転びながら呟く。
「今までが魔物や魔族に困っていた精霊を助ける形で契約していたものね」
「そういえばそうだ」
「そうそう出会える存在では無いですしね……」
一同が沈黙に包まれるなか、まだ曇天は続いているものの、いつの間にか雨が止んでいた。
「とりあえず山頂を目指そう」
エラリスが上を指差して皆に声をかけると、全員が頷き、再び山頂を目指して歩みはじめていった。
⸻
途中何度か雷雨に襲われて足止めを喰らったものの、なんとか山頂まで到着した5人……
「なんだ……あいつ……」
「こんな山頂に……魔物?!」
目の前には、堂々とした姿で山頂に立っている存在。黒々とした見た目に、暗い紫色の立髪。そして何より、他の馬には付いていない、額から伸びる一本の角。
「色は違いますけど……ユニコーンみたいな見た目ですね……」
「でけぇ……」
アルテアの言う通り、まさにユニコーンのような見た目である。大きさも大人数人は背中に乗せる事ができるであろう大きな姿に、ルシオも驚いていた。
「………」
そんな一本角の馬をじーっと見つめるエラリス。その視線に気づいたのか、巨大な馬が5人に視線を合わせた。
「ちがう……魔物じゃない……」
5人に視線を合わせた馬が、興奮したように頭を動かし始める。
「あの……なんかめっちゃ怒ってません?」
馬の様子に気づいたフィニスが小さく呟く。
黒い馬がブンブンと頭を振るにつれ、額のツノが青白く輝き、バチバチと音を立てていく。
「あの子がライナだよ」
エラリスがそう言った瞬間。
『ブルルン!!』
馬が大きく唸りをあげ、一層強く頭を振りはじめると同時に、角からは稲妻がフィニス達に向けて発せられた。
バチバチバチ!
「マジかよ!」
ルシオが慌てて盾を構えるも……
バチチン!
「うががががが……」
盾を通して身体が感電するルシオ。
「盾が吸収できない?!」
驚くフィニスに、ニティアが冷静に答える。
「ってことはあれは魔法じゃなくて、ただの雷ってことでしょ!」
「精霊達は基本的に精霊術師を通さないと強力な魔法は使えない。そこにある水を操作したり、風を発生させたり、岩を砕いたり……。そこに存在するものを操ることはできても、それを強い攻撃に転用したり、新たに物質を生成したりするのは精霊単体じゃできない」
「つまりどう言うこと?!」
「あの角を経由してかどうかはわかりませんが……雷を私たちに向けて放電しているだけ……と言うことですね……」
バチチッ!
再び放たれる雷。しかし、すでに術式を構築したニティアが金属の粉を地面から生成し、全員の周りに舞わせていた。
バチン!
そのまま5人に通電することなく、地面へと流れていく雷。その隙を狙い、アルテアが感電しているルシオの回復を始めた。
「なんで精霊と戦わないといけねーんだよ!」
そう言って剣を抜くフィニス。
「さすがにやられっぱなしって言うのもムカつくしね」
同じように杖を構えるニティア。
「………」
ひとり何かを考えるように沈黙を続けるエラリス。
『グルルッ!』
一本角の巨大な精霊は、変わらずに5人を睨みつけ、頭を大きく振り続けていた。
コメント
1件
**美月ゆめか🌸の感想だよ〜!** わああ第80話きたあああ!!✨ 雷の精霊ライナさん、登場シーンからカッコよすぎる…!黒いユニコーンみたいな見た目で、角からバチバチ雷放ってるの想像しただけで鳥肌立った😭💕 でも「会話が成り立たない」ってモラティが言ってた意味が、戦闘始まってすぐ分かった気がする…笑 属性相性の話も面白かった!水は火に強くて、火は風に…って循環してるんだね〜。エラリスが「あの子がライナだよ」って言った瞬間の空気感がすごく伝わってきたよ…。次回どうなるのか気になりすぎる!!🔥