ブルークに近づきたいが、相手がナカムとなると簡単に行くことができない
ナカム「…」
ナカムも一言も発することなく棒立ちしているだけ
ただいつもと違う点は、貼り付けたような不気味な笑顔ではなかった
スマイル「…ブルークに何をした」
きんときがいてもナカムに勝てるかは分からない
いや、勝率はかなり低いと見た方が良い
なるべくナカムを刺激しないように、穏便に話を終わらせたい
ナカム「…何もしてないよ。…近くにいた祓い屋に殺されそうになってたから…」
スマイル「…助けて、くれたのか?」
ナカム「…助けたつもりはないよ…彼は、俺のシナリオに必要だっただけ」
「…ほら、帰すよ」
そう言いながらナカムはブルークから離れた
俺はブルークの元へ駆け寄り、身体を見る
少し怪我をしているが、以前のような大怪我ってわけではなさそうだ
スマイル「…お前にそのつもりがなかったとしても、お礼は言わせてくれ」
「…ありがとう。ブルークは…俺の大切な使い魔だから」
ナカム「…」
「…ねぇ、スマイル。…ブルークと…きんときとも、もっともっと訓練を積んで強くなってね」
悲しそうに笑うナカムに、胸が締め付けられる
まるで”以前にも”こんなことがあったかのように
スマイル「な、んで…?」
ナカム「…もう舞台は整ってるんだよ…あとはスマイル次第」
「俺に最高の物語を見せてよ」
辛そうに泣きながら、無理やり笑顔を作るナカムを見て
止めなければいけないと思いナカムの腕を掴む
ここで彼を止めないと、一生後悔することになる気がする
だが、ナカムは注射器で俺の腕を突き刺し距離をとる
スマイル「ッ…」
ナカム「…俺からのアドバイス。”仲間を疑え”」
「…ばいばい、スマイル…期待してるよ」
ナカムが暗闇の中に消えていこうとする
スマイル「ッ…!!」
手を伸ばそうとするが、毒でも塗られていたのか、体が痺れて動かない
ナカム「…ちゃんと、俺の事を殺してね…?」(ボソッ
ナカムは完全に暗闇の中に姿を消し、いなくなってしまった
スマイル「…くそッ」
きんとき「…」
ブルークを抱えながら俺の元へ駆け寄るきんとき
一言もしゃべらなかったきんときに文句を言おうとして顔を見ると…きんときは泣いていた
スマイル「きんとき!?」
きんとき「…ごめん」
スマイル「いや…ナカムは相当強い悪魔だから…動けなくてもしょうがない」
きんとき「…そうじゃない…けど、これだけは言えない事なんだよ…ッ」
「ごめんね…スマイル…ナカム…ッ」
きんときに抱えられて家へと帰った
その間もずっと、きんときはごめんと言って泣いていた
コメント
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待ってました!笑続き待ってます( *´꒳`* )