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JOSHUA  side










俺は両親が医者の裕福な家で育った。


3人では大きすぎる家に大型犬が3匹。


それでも寂しい空間だった。


お手伝いさんもいるけれど、両親はあまり好いていない。


お手伝いさんはいつも俺を庇ってくれる。


俺が怒られてしょげている時もそばにいてくれ、勉強も自分のペースでと言ってくれる。


俺はそんなお手伝いさんが大好きだった。


両親は家にほとんど帰ってこず、帰ってくれば勉強しろと口うるさく言う。


両親よりもお手伝いさんの方が好きだった。


勉強しかしてこず、当たり前のようにいい学校に入った。


大学も当たり前に国立だが、頭の良さと実技は異なる。


知識はあるのに技術がめっきりない。


筆記は満点。技術は赤点。


いつもそうだった。それのせいでいつも周りからは煙たがられた。


特に両親の病院へ研修医として入ってからが酷かった。


看護師さんからも陰口を言われた。


出来損ないなのは分かっている。


でも、俺が目の前に現れるとぎこちなく挨拶をかわす。


皆が俺を腫れ物のように扱う。


当たり前だ。院長の息子だもの。


扱いにくくてたまらないはずだ。



































ある日、初めて手をあげられた。


同じ研修医の2人に。


両親も厳しいけれど手はあげなかった。


両親はきっと、手をあげるほど関心もなかったんだろう。


それから頻繁に手をあげられるようになった。


実習後、空き室へ呼ばれては殴られる。


ある日は、手をあげない代わりにレポートをしてくれと頼まれた。


俺がやったレポートはもちろん満点だった。


それでも手をあげられ続けた。


いつも目に見えないところを殴られた。


両親に気づかれるとまずいと思ったんだろう。


でもね、知らないだろうけど両親は俺が殴られようが蹴られようが関係ない。


きっとそうだと思う。
































ある日、重めの熱中症の患者が運ばれてきた。


ある程度処置した後、目が覚めるまで傍にいるよう指示される。


バタバタしていて、気づかなかった。


この人…綺麗だな。


黒くてつやつやした髪。


でもさらさらのふわふわ。


センター分けで襟足も長め。


まつ毛も長いなぁ…


芸能人みたいに整った顔。





JS「綺麗だなぁ…」





思わず口に出てしまった。


その瞬間、綺麗なジョンハンさんが目をぎゅっとした。


眼球運動…


起きる…!!


綺麗と言ってすぐ目覚めたため、動揺が増す。


目が合いそうになった俺はすぐ外へ出て先生へ知らせる。


先生が問診するのをドアの辺から見つめる。


その間ジョンハンさんはぼうっと天井を見つめている。


中度の熱中症と言われると、か細い声ではい、とこたえる。


それからあとは任せた、と肩を叩かれ先生は退出した。


それでも天井を見つめたままのジョンハンさんに大丈夫ですか…?と声をかける。


想像よりも大きな目がパチッとこちらを見る。


すると少し驚くように、目を見開く。


それから一言…シュアと。


俺の名前はジョシュア・ジス・ホン。


でもこれは、LAで生まれた俺の英語名であり、こちらで名乗っているのはホン・ジス。


シュア…なんて限られた人しか呼ばない。


そうか、熱中症の幻覚で誰かと間違えているんだ。


それからふとジョンハンさんが口を開く。


話を聞いてくれる…?と。


あれからずっと動揺したままなので、少しだけ…と思わず返す。


それからジョンハンさんに、言われた言葉は思いもよらない台詞だった。


アイドルしてたって。


俺が?


困惑しているとジョンハンさんは、


熱中症のせいだって言う?と言って笑っている。


案外この人…からかい屋さんなんだ。


それからというもの可愛い喋り方で俺が知らない俺の話をする。


俺はSEVENTEENというグループにいて俺とジョンハンさん含め13人。


最初はジョンハンさんが冗談を言っているんだと思った。


でも、SEVENTEENと聞いてあることを思い出す。


あれは、小学6年生の夏だった。


初めて遊びに誘われた。


嬉しくて浮かれている俺は勉強もせずに家を飛び出した。


お手伝いさんは、自分の事のように嬉しそうにし見逃してくれた。


それから薄暗くなったくらいに家に着くと家から怒鳴り声が聞こえた。


お父様の声だ。それから何度も謝る怯えたお手伝いさんの声。


恐る恐る家に帰ると勉強をしなかった俺は人生で1番怒鳴られた。


それから大好きなCDを壊された。


生まれた時からあって大好きなCD。


SEVENTEENのDream。


初めて父に逆らった。


泣き喚いてそのまま眠ってしまった。


それからは父とは全く話さなくなった。


捨てられた?と聞かれたので壊されるよりは少しオブラートな表現だが頷く。


それからジョンハンさんは悲しそうな顔になって そっか、と呟く。


お母さんのように包容力のあるジョンハンさんについ色々話してしまう。


そしたら揺らがない芯の強さを感じる言葉で相槌を打ってくれる。


継がなきゃならないというとジョンハンさんは、口早に俺に言う。


でもシュアがやりたいかどうかが大事だと。


それを聞いて考えた。


気づけば口からやりたくない…と出ていた。


そうだ、俺は別にやりたくない。


継ぐもんだと思って生きてきただけ。


俺がやりたくないと口にするとジョンハンさんは、ふふっと甘く笑う。


じゃあ俺らとほかのメンバーを探しちゃおうよ、と軽く言う。


こういうところがきっと彼の魅力だと思う。


俺が迷った曖昧な返事をすると、俺らが守るからと真っ直ぐな眼差しで言われる。


それでも思い出してもいない俺が探す訳に行かないと思って考える時間をもらった。































今日も研修医2人に殴られる。


今日はいつもより激しい。


最近調子が良さそうなのが気に食わないようだ。


ジョンハンさんのおかげで毎日の憂鬱な気分が半減された。


それが気に食わないって__


そう考えたのも束の間、思い切り突き飛ばされ、角に頭を強くぶつける。


上からいつのものか分からないファイルが降ってくる。


そこで気を失った。


焦ったのか、目を閉じる寸前に逃げる2人の足音が聞こえる。


それから不思議な夢を見た。









シュア〜!!!


おい、早く来いよ〜!ㅎ






ジョンハンさん?


あの、ジョンハンさん…隣にいるジョンハンさんよりもまつ毛の長い男性は誰ですか?








シュアヒョン!!


ヒョン一緒にこれ食べようよぉ〜!!





誰…?俺に弟なんていないのに。


知らない男性2人が俺の手を引っ張る。






















SEVENTEEN…あぁ俺ってSEVENTEENだったんだ、本当に。


夢なんかじゃなくて、夢みたいで幸せな日々の記憶だ。


両親だってとても優しい。同じ人なのに。


俺にはわかる。SEVENTEENの世界の両親が真の両親の姿であると。


全部思い出した。


目を覚ませ…俺!!と自分を起こす。


目が覚めてすぐ、痛みを誤魔化してジョンハンさん…いやジョンハナの所へ行く。


思い切りドアを開けると目を見開いたあと心配そうに俺を見る。


どうしたの…と言う声を聞いて安堵感からか懐かしさからか。


心臓がぎゅっとなる。


それから安心して崩れるように抱きついた。
































そのあと来てくれた皆に経緯を説明し、泣き崩れた俺を皆が抱きしめてくれた。


傷には触れないように優しく、でも力強く。


それからは、6人でゲームをした。


ホシ持参のカードゲーム。


前までみたいに少し同盟を組んでみたり、ホシとか騙してみたり…ㅎ


前まで当たり前だった景色だ。


この世界の俺からしたらとんでもなく幸せだ。


































それから俺は毎日病院に泊まり、両親に怒られながらも技術を鍛えていた。


暴力はと言うと__


ちょうど現場を見たミンギュが助けてくれた。


それからクプスが来て、低い声で、お前らなにしてんの、と一言。


クプスは笑わないと冷たく見える顔だ。笑ったら可愛いんだけどね。


それでいて後ろでジッと見ていたホシウジの顔も冷たく見えたんだろうな。


相当怖かったのだろう。


それからピタッと無くなった。


ジョンハナの退院が迫る頃、なんとか医師免許の試験のためへの技術点へ達した。


それから医師免許の試験に受かった。


免許の発行が終わり次第俺はこの病院を辞める。


それからみんながいるシェアハウスへ引っ越すことになった。


この世界の医者よりも、SEVENTEENのジョシュアで在りたい。

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