港に船をつけ、足をつけると、色鮮やかな花柄のワンピースを着た老婆と美しい女性たちが籠を持ってルフィたちを迎え入れた。
「「「ようこそ、リーゼ島へ!」」」
声を揃えて、彼女たちはそう告げると、それぞれの首元にハイビスカスの花でできた首飾りを掛けていく。
「おお、すげぇ!花がいっぱいだ!」ルフィは目を輝かせながら首飾りを見つめ、笑顔を浮かべた。
「うわぁ、これまたきれいね」ナミが感心しながらも、少し照れたように首に花を掛けられる。
「おい、なんかいい匂いがするな」ウソップが鼻をひくひくさせながら、周囲の花々を見渡していると、女性たちの温かい歓迎の雰囲気に包まれていた。
「か、かわ、可愛いレディの手、手が…!」
首元に花を掛ける際にほんの少し触れた手の柔らかさにサンジの目が見開かれる。
ゾロはサンジの様子をちらりと見てから、少しだけ目を細めた。
「…お前、どこでもそんなことしてんのか?」
ゾロは無表情でそう言いながら、軽く肩をすくめる。
「うるせぇ、気にすんなよ!」
サンジが慌てて言い返すが、ゾロは面倒臭そうに鼻を鳴らして、また無言で歩き出す。
「お前、何だかんだで興味ねぇだろ?」
サンジはふんと鼻を鳴らしながら、ゾロに向かって言った。
「…あぁ、別に。」
そんな二人の会話に割って入る様に、老婆が声をあげる。
「ここでは、皆が島の『家族』。さあ、案内しますぞ。リィナ」
そうして老婆が声を掛けたのは、若い女性の中でもひときわ目立つ美しい若草色の髪をハーフアップに結い上げ花冠を頭に嵌めた美しい少女だった。
「ええ、わかりました。」
その声は鈴のように軽やかで、可愛らしい。
「な、な…なっ…」
サンジは目を見開き、言葉をうまく繋げられずに口をパクパクさせる。目の前の少女に心を奪われたのが明白だった。
「また始まったかアホコック」
ゾロが呆れた様子でサンジを一瞥し、横でナミが苦笑いを浮かべて見ていた。
「サンジ君、すぐにそうなっちゃうんだから…」
ナミは肩をすくめながらも、サンジの反応に少し楽しげな表情を浮かべる。
「…さすがだな、お前。」
ゾロが冷めた口調で言うと、サンジはすぐに顔を赤くして反論する。
「何だよ!…でも、この子、すごく…」
サンジがその少女に目を奪われ続けながら、なんとか言葉を続ける。
「可愛いのはわかるけど、そろそろ我慢しろよ、クソコック。」
ゾロがやれやれといった調子で言うと、サンジはむきになって反論する。
「うるせぇよ!俺は俺だ!」
そのやり取りを見ていたリィナは、少し驚いたような笑顔を浮かべつつ、穏やかな声で言った。
「ふふ、賑やかで微笑ましいですね」
その言葉に、サンジは一瞬照れた様子を見せるが、すぐに自信満々に胸を張って答える。
「そうです♡僕はいつでもリィナちゃんのような…」
途中でゾロの冷たい視線を感じ、サンジは口を噤んだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!