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#普通
野々さくら
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ありあ
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男子はベッドの上で拳を強く握り締めた。
さっきから頭の中へ直接響いてくる、聞き覚えのない女の声。
その声は悲痛なほど切実で、何度も何度も同じ言葉を繰り返していた。
『私はやってないの・・・』
胸が締め付けられるような響きだった。
『信じて・・・』
震える声。
『お願い・・・』
懇願するような声。
『朝陽を愛してた・・・』
その一言だけは、悲しみと愛情が入り混じり、聞いているだけで胸が苦しくなるほどだった。
『嘘じゃないわ・・・』
男子は目を見開き、額に汗を浮かべる。
(ま、またこの声)
自分以外の誰もいない筈の寝室。
それなのに、確かに誰かがすぐそばで囁いているように聞こえる。
男子は顔をしかめ、頭を押さえた。
(もう・・・何なんだよ)
鼓動が速くなる。
(この声は・・・)
自分にしか聞こえない。
(誰なんだよ・・・)
助けを求めるように天井を見上げる。
(勘弁してよ・・・)
知らない女の悲鳴にも似た声が、頭の中で反響し続ける。
(僕に何の恨みがあるって言うんだよ)
震える息を吐きながら、男子はゆっくりとうつむいた。
(僕が何したって言うんだよ・・・)
病室には静寂だけが流れている。
だがその静寂の奥で、女の悲痛な声だけが、いつまでも男子の心を締め付け続けていた。
コメント
1件
うわ、このエピソードめっちゃゾクッときた……!「朝陽を愛してた」って言葉が一気に切なくて、声の主が誰か気になって仕方ない。男子の混乱とか、頭に直接響く感じの描写が生々しくて、引き込まれたわ。×××さんのこういう心理描写、ほんと刺さる🔥 続きが待ちきれない!