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第8話:国境を越えて
朝の国際都市シンガポール。
ホロ・ガーディアンズの5人はリモートで呼び出され、転送ゲートから現地に到着した。
蓮はパーカー姿のまま緑のライトスーツを展開し、背にホログラムの翼を広げる。
隼人は灰と赤のアーマースーツを纏い、精悍な短髪に鋭い目を光らせた。
未来はドクターコートを翻し、ピンクと黄緑のヒールスーツの光を纏う。
理央は丸眼鏡にセミロングの髪を揺らし、赤とグレーのワークスーツで工具ベルトを叩く。
光は肩までの茶髪をはねさせ、紫と墨染めのアート風スーツで表情を引き締めた。
「やっと来たか」
目の前に現れたのは、海外ガーディアンズチーム。
リーダーは長身の黒人青年マーカス。銀縁のゴーグルを額にかけ、エメラルドグリーンのアーマースーツを纏っている。彼のパートナーは鷲型ホログラムAI「イーグル」。
隣にはラテン系の女性アナ。濃い茶髪を三つ編みにし、赤紫のスーツで脚を軽やかに動かす。AIはジャガー型「ティグレ」。
もう一人はインド出身の青年ラジ。細身で、金属質な装飾をまとった金茶色のスーツ。AIは象型「ガネーシャ」。
「俺たちの街に勝手に入り込むな」マーカスが腕を組む。
隼人が即座に睨み返す。
「俺たちは救援だ。助けが必要だから来たんだろ?」
緊張が走る。
蓮は「ピコ……どうする?」と呟くが、セキセイインコ型AIは羽を広げ、街に漂う灰色のノイズを指し示した。
ワーム型の亜種がすでに動き出していた。
都市を飲み込むように現れたのは、多頭型ウイルス怪物。
頭部が五つに分かれ、それぞれが別々の偽情報や電力障害を起こす。
「こいつは……国境を越えて拡散するつもりだ!」未来が声を上げる。
戦闘開始。
隼人とマーカスが同時に前に出る。
「マル、プロンプト!《戦術殲滅》!」
「イーグル、アサルトモード!」
衝撃波と風刃が交差し、怪物の首を二本まとめて吹き飛ばす。
だが二人は互いに睨み合ったまま。
一方、理央とラジは真逆の動きで敵の足元を崩す。
理央は赤とグレーのワークスーツを輝かせ、「チィ、プロンプト!《即席フィールド》!」。
ラジは象型AIの重力波で足場を固定。
「お前の方法は荒っぽいな」
「そっちこそ回りくどい!」
二人の砲撃と重圧がかち合い、敵の足が裂ける。
未来とアナは市民の避難路を守る。
未来のドクターコートが光を広げ、サラの治癒波が流れる。
アナはジャガー型AI「ティグレ」と共に素早く人々を誘導する。
「スピードでカバーするわ!」
「私は守りで!」
二人の力が噛み合い、市民が安全圏に逃げ切った。
光はルナと共に、空間全体をアートのように照らす。
「ルナ、プロンプト!《感情波リンク》!」
イルカの波紋が海外チームのAIとも共鳴し、五つの首が同時に揺らいだ。
「今だ! 一斉攻撃!」
蓮が緑の翼を広げ、ピコと共に急降下。
隼人とマーカスの衝撃波が重なり、理央とラジの砲撃が合流、未来とアナの治癒光が支援を重ねる。
最後に光とルナの感情波が全体を包み――多頭型ウイルス怪物は灰色のノイズとなって四散した。
戦闘後。
マーカスがゴーグルを外し、笑った。
「どうやら、力を合わせた方が早いらしい」
隼人も口元だけ笑みを返す。
「国境を越えても、敵は同じだからな」
未来が仲間たちを見渡し、ドクターコートの裾を揺らした。
「……私たちの戦いは、世界全体に広がっていくんだね」
こうしてホロ・ガーディアンズは、国際的な仲間との共闘を果たし、戦いの舞台は世界規模へと広がった。