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「私、お姉ちゃんなら得意だよ」
私がそう言うと夢芽は目を見開いた。
「…わかった」
思ったよりすんなり承諾してくれた。
「できなかったら、しゅぢゅちゅだからね!」
しかし、思い出しはじめのタイミングだから思うようにできるかわからない。
夢芽は主治医と呼ばれていた人形を引っ張りだす」
「おねーちゃん!おにんぎょーあそびしよ?」
あぁ、懐かしいな。
このお人形はお母さんが夢芽が安心するようにおさがりとしてあげたものだった。
私はここで薄々気づく。
ここはどこなのか。
ここは「あめだまさん」だ。
昔、夢芽が話していた。
「あのね!おねーちゃん!ユメね!おおきくなったらおひめさまになるの!」
「めっちゃいいじゃん」
「そしてね!ユメのすきなものでいっぱいにするの!」
「へーどんなの?」
「ぴんくでしょ?おかしでしょ?おにんぎょーさんでしょ?うさぎさんでしょ?あとねー」
「なになに?」
「まぁまとぱぁぱとおねーちゃん!」
「そっか、楽しみだな」
そんな話をしていた。
ここはユメがお姫様になるための飴玉のお城だった。
私が連れてこられたのはこの小さなプリンセスが招待してくれたから。
「お人形遊びね?夢芽はお姫様?」
「…あ」
「私は…」
ふっと私の手元に王子様の人形が落ちてくる。
「姫様、『あめだまさん』に向かいましょう」
夢芽は目をキラキラと輝かせていた。
「しゅぢゅちゅがせいこうしたわ!」
「…あはは」
私のこと覚えてないっぽい。
「ねえ」
「なあに?おねーちゃん?」
「夢芽は…ユメは何者?」
そう聞くとユメはびっくりしてそのあと考え込む顎に手を当てて素振りを見せた。
「わかんないや」
「そっか」
何もわからない。わからなくていい。
夢芽が幸せなら。
夢芽が待っていた人形が、主治医が初めて口を開いた。
「退院していいですよ」
それはとてもとても優しい声だった。
私の身体は光に包まれる。
目を、覚ました。
そこは私の家だった。
いつもの部屋、そこに安堵を覚えた。
頭痛も全くせず何なら快調だ。
「カノ!ご飯よ!」
お母さんの声がする。
立ちあがろうと手元を見た。
手にピンク色のリボンの包帯が巻かれていた。
そこにマーカーで
「またあそぼうね!」
と幼い文字で書かれていた。
青い空が窓から見える。
わたあめみたいな雲の上で夢芽は、ユメちゃんは私を見ているかもしれない。
本編、終
コメント
1件
うわああああ第6話読んだよ…!!!😭💕 「しゅぢゅちゅ」の約束がずっと生きてて、最後の包帯の「またあそぼうね!」に完全に持ってかれた…ナニコレ泣くわ…。ユメちゃんが何者かわからなくても「夢芽が幸せなら」って思えるお姉ちゃんの愛情が尊すぎるよ…🥺💖 雲の上のユメちゃんが見てるって終わり方、想像しただけでエモすぎて胸がギュッてなった。最終回って名乗ってるけど、もしかして続きあったりするの…!?気になりすぎる!!