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対個性最高警備特殊拘置所通称「タルタロス」
本土から約5km離れた沖に建造された収容施設。便宜上拘置所とされているが、実態は国民の安全を著しく脅かす、または脅かした人物を、厳重に禁錮し監視下に置くものであり、刑の確定・未確定を問わず様々な個性の持ち主が収容されている。
居房は6つに区分されており、個性の危険性や事件の重大性よって振り分けられ、危険性の高い人物ほど、地下深くに収監されている。
一度入れば生きて出ることは叶わないと言われており、個性社会の闇とも呼ばれている。
そんなタルタロスでは、看守の間で日常的に話されていることがあった。
それは、タルタロスで囚人が死ぬこと。
本来ならたまにしか上がらない話題なのだが、3年前に新たな極悪犯が収監されたことをきっかけに、それは日常的になってしまった。
そもそもタルタロスで囚人が死ぬということはそう日常的にあることでは無い。年間で見れば何件かあるが、その全てが脱獄を試みて一か八かの賭けで個性を発動させ、部屋に備え付けられてる機関銃によって処分されるか、最期まで個性を発動させず終身刑のまま獄死したというもの。
だが今は囚人が個性を発動させ機関銃で蜂の巣にされ死ぬよりも、有り余った余生を無意味に過ごした獄死よりも、自分の身体を貪り大量出血で死んだり、数ヶ月間飲まず食わずで餓死したり、発狂しながら壁に頭を打ち付け頭部骨折で死んだりと、今までデータになかった死に方で囚人たちが次々と死んでいく。
それも全部、凰雅麗夜という少女に宿った個性によって。