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私たち、一人ずつのエスコートは、愉しんでいただけたでしょうか?


最後は、4人全員が揃っての甘いひとときを、あなたへ──



「こんなのって、幸せすぎる……」


ほんのりと赤らむ顔でひとり呟く。


フロアの中央に置かれた長ソファーには、私を真ん中にして、


右隣には銀河、その横に流星、左側には三日月と並んで、天馬が座っていた。


「幸せすぎ……」


右を見ても左を見ても超イケメン揃いで、逆ハーレムみたいな状況にどうにも頬の緩みが抑えられなかった。


「幸せって、何がだよ?」


銀河に言われて、


「ううん、なんでもないから」


照れ隠しにうつむき加減で首を横に振るけれど、嬉しさのあまり緩み切っていた顔は、どうやらまるで隠せてはいないらしかった。


「なんでもなくないだろ? おまえ、今なんか笑ってたし」


流星に、にやけ顔を目ざとく見つけられて指摘される。


「き…気のせいだってば…笑ってなんかいないし」


苦しい言いわけをしつつ目の前のグラスを取り上げようとした私は、焦るあまりグラスをガタンと倒して中身をテーブルにこぼしてしまった。


「大丈夫ですか? すぐに拭いて差し上げますから」


三日月が、まるで執事さながらにスーツの胸ポケットから真っ白なチーフをスッと引き抜いて、服にこぼれたお酒を拭き取ってくれる。


「い、いいですから…。そんなに綺麗なチーフで拭いてもらったら、悪いし…」


濡れたスカートを拭く三日月の距離の近さに、いよいよ照れがピークに達し胸の鼓動が収まらなくなる。


「悪いなんて、そんな風に思うことはないですよ」


三日月がふと拭く手を止めて、メガネの奥から涼やかな瞳で私の顔をじっと見つめる。


「ここは、あなたのためにご用意された場所なのですから。なのであなたには、極上のひとときを過ごしていただければと思っていますので」


「そうだよ。今夜は君だけの貸し切りなんだから、君の好きなようにしていいんだよ?」


三日月の後を続けて、天馬が、目を奪われずにはいられない愛らしい笑みをにっこりと私に浮かべて見せた。

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