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あの日助けてれば

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あの日助けてれば

3 - ごめんね

♥

16

2022年02月13日

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サァー バッシャン


「ここでよく歌ったな」

その言葉は波の音でかき消された。

その時だった。

「流歌?」

誰かが僕に話し掛けた。

振り向いたら。

「木葉……」

「木葉だよ!元気してた?」

元気なわけない!


ねぇ、どうして?

どうしてそんなことを聞くの?

思わず首を横に振った

「そっか」

鼻がツーンとした。

それと同時に目から何滴もの水が溢れた。

「琥珀、琥珀ぅ」

木葉は、誰だろうという顔をしていた。

誰にも教えてないしね。

「どこ行っちゃったの?環奈もさぁ」

(環奈?あれ?誰だっけ)

「ーーーーーーーーー!」

(何言ってるんだよ)


私の声は届いてないような顔をした。

悲しかった。


《流歌は、混乱してるんだね……》

そう感じたんだ、だから、そう思った。

俺は流歌を抱きしめる。

子供の時みたいに……


何故か暖かくなった。

理由はわからない。

でも、心地よかった。

“莉渚”と居る時みたいに……


「莉渚に会いたいよ!なんで死んじゃったの?」


嗚呼、こんなふうに言ってくれるんだ。

流歌はやっぱり優しいな。

『俺も会いたいよ、見てもらいたい、声を聞いて欲しいよ……』


胸がほっとした。

(なんだろう、この安心感)


流歌はホッとしたように方に入ってた力が抜けた。

「流歌?」

「ごめんね木葉」

謝らないでよ……

「そんな言葉は似合わないよ?」

「そっか、じゃあ」

ありがとう

その言葉が胸に響いた。

「う、ん!」

「何泣いてんだよ‪」

満面の笑みを見せながら言った。

「ごめん!今拭うから!」

「うん!」

はぁ、やっぱり流歌は私の

天使

だな……




第3話~完~




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