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※注意はまあ今回は同棲回になるので特にないかな…
「ここ、お前の部屋な」
うるっさいクソジジイ…タナトスは空き部屋に詰め、オーターとワースに家案内していた
「こんなこと言うべきじゃないんでしょうけど…広いっすね」
「え、嫌味?」
「えあいや、そう言うわけではなくて…」
「冗談だって〜だからその殺気引っ込めて、オーター」
事実、オーターたちの元家の方が広い。豪邸と呼ばれる部類だろう。部屋が多いからそう感じるのだろう。敷地的には世間一般的だ。そして、仲良くなれたのが嬉しいのか、ちょっと過保護な気がする。大人気ないのは分かっているが、ちょっと…大分嫉妬する。そんな風に心配されたい
「…それはそうと、1人一部屋…その、大丈夫ですか?」
「ん。クソジジイがな。部屋多い方が便利だってことで多く部屋あんのよ、我が家」
レナトス当時8歳
「…部屋は多い方がいいだろう?」
「なんで?」
「?娶るのだろう?」
「〜っはぁ?!?!!」
「相変わらず騒がしいな…奴を追って投身自殺するほどには奴にゾッコンだったろう?」
「〜!//////」
「…それに、家のことも考えてやれ」
「あ…」
「…迎えるかたちになるだろうしな。プライバシーは必要だろう」
「…なんで、そこまで、」
「孫が見たい」
俺は、最早その日一日意識がとんだ。翌日、8歳の全力パンチを食らったタナトスは、棚に埋まった。神様なのになんとも情けない姿だった
「そう、なんですね…」
多分、俺の視線が虚空を見つめていることに気づいたのだろう。まあまあ俺が苦労していることは察してくれたようだ
「…ま、気楽に過ごしてくれよ」
「失礼します」
「いーよ。お前の家でもあるんだし。ワースも、変に気ぃ使わなくていいからな」
「あ、はい…」
「それと、あのクソジジイには近づくな絶対に!」
「ひどいな」
冗談じゃなく、息がとまった。このクソジジイは音もなく人の 背後に立つ。タチが悪い
「テメエ!どうやって出てきた?!」
「貴様の態度的に、いつかああやって監禁されるとおもってな。工具を持ち歩いている 」
なんでんなもん持ってんだよ…用意周到過ぎんだろう
「えっと、よろしくお願いします…」
「…なるほど?先もおもったが、なんだ、其方はこういう美人が好きなのか」
「ああ?!//////」
「可愛いとか、クールとか、いうんだろう?その中で其方は美人を選んだと言うわけだな」
デリカシーのカケラもねえ…!みろ!オーター真っ赤じゃねえか!
「テメエ今すぐどっかに消えろ…!」
「思春期だからといって、こえてはいけん一線はあるぞ?」
「んなもんとっくの昔に終わってんだよ!!!!」
「?青春しとるし、思春期だろう」
「テメエの中の思春期の基準おかしいだろ?! 」
「そもそも神に思春期などない」
「知らねーよんなこたぁ!今テメエは人間だ!!デリカシーを覚えろ!!」
「…間違ってたか?」
「え…すみません、分からないです」
「さようか…」
「だぁ!!オーターに近づくな!!穢れんだろ!!!」
「失礼だな。神に対して」
「最早神とは思えないほどの愚行しかしてねえだろ?!」
オーター&ワース視点
「…レナトスさんって、あんな感じだったっけ?」
「あそこまで怒るのは見たことないですね…」
「と言うか、兄貴の神様?はいねえの?」
「さあ…?イノセントゼロであれば知ってそうですけどね」
「あ〜…聞いてみようぜ」
「ですね…」
親子(?)の溝ができようとしていた一方、兄弟の仲は深まっていた
「あーしんど…」
「お疲れ様です」
「なんかごめんな。ゆっくりしたかっただろ?」
「荷物という荷物もなかったですしね。全然、構いませんよ」
タナトスとの言い合いはとにかく体力を使う。マジでしんどい。1時間もしようもんなら、息が上がり過ぎて酸素不足で死ぬだろう。そして俺は、それを言い訳に今膝枕をしてもらっている状態だ。マジで至福
「…驚いたろ?」
「かなり…」
「俺も驚いた…なんかいるし、なんか親しげだし…なんか父親面してくるし…」
「でも、悪い方、というわけではなさそうでしたけどね」
「だから困ってんだよ…」
そう。タナトスがただのデリカシーのないクズなら速攻で捨てたし、速攻締め上げて縁を切っていただろう。今日みたいな日は、真面目に考えることもある。だが、俺には、すべての善意が、すべて悪い方向へいってしまうだけなのだろう。…失礼極まりないが、不服だが、オーターに似ている。接し方がわからず、試行錯誤して、結局すんごい極論に行き着くところなんかは特に。だから、今日みたいなことがあっても、俺は許してしまう。本人の前では言えないが、多分俺は、タナトスのこういう人間臭さが好きなんだろう。感謝もしている。こうして、また恋人と楽しく過ごせるようになったのも、タナトスのおかげだ。家まで建ててくれたし、今だって仕事帰りだろう。一生懸命、働いてくれている。文句も言わずに。人としては最低だろうが、父親としては、最高だ
「レナトス?」
「あ、悪い。何? 」
「えっと、タナトスさんが…」
「すまんな。邪魔して」
「〜〜っっ!!なんでいんだテメエ!!」
「いや…風呂沸いたから入ってこい」
「あ…はいはい。…先入るか?」
「いえ。私は後で」
「?一緒にはいらんのか」
「?!」
「タナトス!!!!!」
「2人で入れるようにしてあるから、広さは十分だと思うが?」
「はあ?!はいんねーよ!!」
「恋人同士は入るだろう」
「テメエはなんでそうデリカシーのないことを…!」
「それと、其方の弟も、我も入ったぞ」
「テメエ、湯に浸かってねえだろうな?」
「そう言われるだろうとおもって。シャワーで済ませた」
「…」
「…あ、湯、まだ張ってなかったな。済まん。わくまで待っててくれ」
「いーよ俺シャワーにするから!」
「オーター、といったか」
「はい」
「少し話そう」
「…わかりました」
タナトス視点
「ここでいいか?」
「公園…」
「家の中だと眷属がさわぐからな」
あやつは我に向かってよく怒る。なにも変なことはしていないのに。まったく不条理極まりない
「…それで、なんですか」
「そう警戒するな。オーター。なに、ただ、我が眷属…レナトスをどうおもってるのか気になっただけだ」
「え…」
なぜそんな顔をする。レナトスは最早息子みたいなものだ。知りたいというのもアウトなのか?
「そんなにおかしいことか?」
「あ、いえ…聞かれるとおもってなくて…」
「…」
「えっと、レナトスのことは、その、…だ、大好き、です」
本当に大丈夫か、其方。真っ赤だぞ。こんな純情美人が相手で其方は大丈夫か
「…えっと、足りませんか?」
「…詳しく聞きたいところだが、無理なら話さんでいい」
其方になにかありでもしたら、棚に埋められるだけではすまんかもしれんしな
「…レナトス、は、えっと、大雑把なところもありますが、細かいことにもよく気づいて助けてくれます。私は、人の感情を理解することに対して、自分の感情を表に出すことに関して、あまり芳しくありません。…もしかしたら、今後も迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません」
礼儀しっかりしすぎじゃないか?其方本当に大丈夫か(2回目)
「今までも、何度もそのせいで人と衝突してきました。…弟とも、さっきまでまともに話せなかったんです」
「は?」
「すみません…常識的にあってはならないことだとは分かっています」
其方の家庭事情がな
「でも、なぜなんでしょうね。レナトスといると、すごく、安心するんです。自分と、向き合えるんです。たくさん喧嘩もしたこともありますし、きっと、私が気づかないところでたくさん傷つけてしまった。それでも、変わらずに、ずっと側にいてくれるんです。すごく、あったかいんです」
ああ…そうか
「だから、その…私が至らないせいで、レナトスには、いままでも、これからも迷惑をかけてしまいます。だけど、私も、ちゃんと…その、レナトスに、一緒にいて楽しいって思ってもらえるようになりたい…です//」
「…」
「えっと…」
「なるほどな」
「え?それってどういう…」
「やっと…はぁはぁ…見つけた…」
「レナトス?!」
「何故…」
「GPSだよ…テメエにどっかに連れてかれねえようにな…!」
「…」
「あ、オーター。安心しろ。もうGPSはつけない」
「あ、はい…」
そっちじゃないと思う2人だった
「で、何話してたんだ?」
「ん?其方のどこが好きなのか、と聞いただけだ」
「は?! 」
この野郎、俺がいない間になんてことを…!
「ただまあ、文句はない」
「あ?」
「いい奴じゃないか」
「…当たり前だっつーの」
「しかし、其方しっかり愛してると言っとるのか」
「へあ?!」
「大好き、というだけで真っ赤だったぞ」
「っっ…くたばれクソジジイー!!!」
「(面倒なことになった)」
その頃、ワースは
「…大丈夫か?」
ただただ、レナトスの胃の心配をしているのであった