テラーノベル
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俺はアンドリューに案内され、第三層内にある堅牢な石造りの城塞へと入る。
チェスのルークみたいな形をした建物内は、妙に入り組んでおり、廊下が右へ左へと何度も折れ曲がりながら延びている。天井はやや低く、圧迫感を覚えるほどだ。
「なんだこの建物、あっちいったりこっちいったり」
ヨハンナの言う通り、階段を登ろうとするために酷く遠回りをしている気がする。
「何分昔の建築物ですので、恐らく侵入者対策かと」
「なるほど、ではこの壁や天井に歯車がついているのも何かギミックが?」
「魔導機械防衛設備があるとは言われているのですが、何分100年くらい前のものなので、あってももう機能しないと思われます」
「もし機能してたら、壁から槍とか弓とか飛んできたのかな」
「かもしれませんな」
残念だなと思いつつ、階を上がって先へと進むと客室へと案内された。
石造りの質素な部屋だが、天蓋付きのキングサイズのベッドが置かれている。
「汚い部屋で申し訳ございません。ここがこの砦で一番の部屋ですので」
「いえ、休めればどこでも」
「では王子と奥様はこちらをお使い下さい。騎士の方はこちらへ」
「あれ? あたしだけ別なのか?」
「はい、別部屋を用意しています。ただ他の騎士と相部屋になりますが」
「えぇ……」
ヨハンナは相部屋と聞いて嫌そうにする。俺は気を使ってくれるアンドリューを引き止める。
「ああ、もう騎士もここでいいよ」
「よろしいのですか?」
「うん、他の人と一緒にすると喧嘩しそうだし」
「よくわかってんなあたしの事」
「左様でございますか。それでは王子、明日朝最初の会議が始まります。その時にまたお迎えに上がります」
アンドリューが外に出た後、俺はバフっとベッドにダイブする。
思ったより硬いが、文句は言うまい。
ヨハンナは窓の外から、訓練している兵たちを見下ろす。
「戦地だからもっとピリついてんのかと思ったが、意外と普通そうな顔をしてるな。訓練はきつそうだけど」
「リガルドは戦力があるし、装備や資金も十分回ってくるから」
「さすが武力だけは世界一の国だ」
「飛空艇で来れたのも、リガルドの技術力が高いからだよ。陸路だとここに来るの一週間はかかるし」
「さすが税金を大量にとってるだけはある。他国はどうなってんだろうな」
俺も、実際他の国の軍事拠点ってどうなってるんだろうなと興味がわいた。
すると聖剣からナハトが飛び出してきた。
「あー窮屈、僕も外で歩きたいよ~」
「さすがにサキュバス引き連れて会議には出られないって」
「じゃあこれならどう?」
彼女は人間ボディから、黒い毛並みの子犬へと変身する。
「わふわふ」
「それならOK」
俺は飛びついてきたナハト(犬)を抱きかかえる。
「ママもちょっと羽伸ばしちゃおうかしら」
ママ上は着ていたドレスを脱ぐと、下に着ていたサキュバススーツ姿になり、隠していた腰部のコウモリ羽を伸ばす。
一応父上に話は通してあるものの、ママ上もサキュバスであることは極力隠して生活している。
というかこのエッチすぎるボディを晒すのは不可能だ。
「今晩はラウルちゃんと一緒に寝られるのね」
「わふわふ(僕も今日は聖剣の外で寝るよ)」
「というわけでヨハンナ、ベッドは俺とナハトとママ上で使うから、そこのソファーで寝てもらえるか?」
「なんでだよ、あたしもそこで寝させろよ!」
「だって四人は狭いよ」
「サキュバスちゃんを犬にしとけばいいだろ」
「ラウルちゃんナハトちゃん、ママドーナッツ持ってきてるけど食べる?」
「食べる食べる」
「キャンキャン♪」
「おいママさん、エサ渡すんじゃねぇ!」
俺はぶひぶひとドーナッツを貪った。
◇
翌朝――
俺達は長旅の疲れもあって、夕食後にすぐに寝てしまった。
部屋の中に朝日が差し込み、俺はむくりと起き上がって周囲を見渡す。するとナハトとヨハンナとママ上があられもない姿で眠っている。
ナハトは寝る前まで犬形態だったのに、どうやら夜中になって人間形態に戻ってしまったらしい。
ナハトとヨハンナは、もうほとんど何も身に着けておらず、シーツが僅かに彼女の女性的部位を隠しているだけである。
「こうなると思ったんだよな」
彼女に騎士としての品性などを求めるのは無意味だろう、そう思いつつ俺はそっとシーツをめくってみる。
すると、ドアがコンコンとノックされ、肩がビクッと震える。
『王子、朝食をお持ちしました』
「まずい」
扉の外から声が聞こえて、俺は青くなる。
サキュバスと一緒に寝ているところを見られるのはやばすぎる。
俺は慌てて部屋の中を見せないように、僅かに顔が出せるくらい扉を開ける。
するとそこには、朝食を持った二人の騎士が並び立っていた。
「おはようございます、ラウル王子」
「あぁ朝食? そこ置いといてくれる?」
「「昨日は大変失礼を申し訳ありませんでした!」」
二人の騎士は扉の前で深く頭を下げる。
なんのこっちゃと思ったが、どうやらこの二人昨日俺を失敗作扱いした連中だ。
ややこしいときに来たな。
「我々、決してそのようなつもりで発言したわけではなくですね」
「正式に謝罪がしたく、どうにか対面で謝る機会をいただけないかと」
「我々地に頭を付けて謝罪する覚悟がありますので」
二人はどうやら土下座謝罪をしに来たらしい。やりすぎだと思うが、まぁ悪王の子に向かって失敗作発言をして、それを本人に聞かれたのだ。彼らとしては処刑されてもおかしくないと思っているだろう。
しかし今は間が悪い。
「いいっていいって、全然気にしてないし」
「そ、そうおっしゃらずですね」
「どうか謝罪のチャンスを」
二人の騎士は、なんとか俺の部屋に入ろうと少しだけ開いた扉に手をかけ、足をねじ込もうとしてくる。
俺もなんとか入れさせるわけにはいかないので、扉を開けないように力を込める。
「いいっていいって! また今度聞くって!」
「王子、お怒りなのはわかります。我々はなんて愚かな発言をしたのかと猛省しております!」
「王子、どうか3分、いえ1分でも構いません。王子の貴重なお時間をいただけないでしょうか!?」
「ダメだって言ってんだろ!」
二人は謝罪すら許されないと思って、必死に扉を開けようとしてくる。
馬鹿野郎やめろ、中には裸の女が3人寝転がってる、しかも内二人は魔族なんだ。こんなとこ見られたら、首脳会議が始まる前に国に強制送還されるだろうが。
「王子、お願いします!」
「王子、お慈悲を!」
「だから怒ってないし罰もしないって!」
「王子わかっているのです、謝罪すら許せぬほど憤慨されていると!」
「後ほど軍事裁判にかけられて、絞首刑を言い渡されるのはわかっているのです!」
「何もわかってない! 全部被害妄想だ! てかお前らの今の行動にキレそうだよ!」
扉を隔てて、ガチャガチャと攻防が繰り広げられる。
しかしさすがに2対1では分が悪く、徐々に扉が開いていく。
やばい、もう持たない。かくなる上はこいつらを国家反逆罪で――
「ふぁーあ、何やってんだお前?」
不意に後ろから声をかけられて振り返る。
そこにはシーツを体に巻いただけのヨハンナの姿があった。
「ったく、昨日お前に(寝相で)プレスされて腰が痛ぇぜ」
それは騎士たちの目にも映り、裸の騎士と朝チュン→部屋にいれてくれない王子→(種付)プレス→あっ(察し)となる。
「も、申し訳ございません王子。まさか騎士とそのような関係だとは!」
「失礼いたしました! 我々が空気が読めないばかりに!」
「ま、まぁそういうことだから、誰にも言わないでね」
「「はっ!」」
勘違いした二人はリガルド式敬礼をして、そそくさと部屋の前を立ち去っていく。
「何かあったのか?」
「あの二人が口を滑らせたら、俺のあだ名が無能種付オークになると思う」
「?」
コメント
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第22話読み終えたよ〜!✨ もう扉の前の攻防が面白すぎて声出して笑っちゃった🤣💕 謝罪しに来た騎士たちと必死に隠すラウルの押し問答、しかも奥ではサキュバスと裸の騎士が寝てるっていうカオス!笑 「何もわかってない!全部被害妄想だ!」って叫ぶラウルの絶望感が伝わってきて最高でした😭✨ 最悪のタイミングすぎる! ヨハンナの「プレスされて腰が痛ぇぜ」からの誤解解決(?)もまたナイスすぎる展開だよ〜! あだ名が「無能種付オーク」になりそうってラウルのボヤきにも大爆笑! 続きすごく気になる〜!🌸
🍎🥧アップルパイ
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#ブルーロック
🍎🥧アップルパイ
59
#もしかしたらグロいかも
海月
38