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カレー店の建築も進む中、私とゼルゼディス様はたまに建築現場に差し入れに行ったり、カレー店の新メニューを考えたり、卵焼き店のスタッフとして働いたりと、ほのぼのしつつも割と忙しい日々を送っていた。
その日、私はいつも通り5分で化粧を済ませて、着替えをした。
ゼルゼディス様と王都に行き演劇を見る予定だったのだ。
リビングに降りると、ゼルゼディス様は新聞を読みつつコーヒーを飲んでいた。
「エシャロット、では行きましょうか?」
「え、えぇ…」
一応、これが2度目のデートになるのだろうか…?
そう思って緊張したその時、玄関のベルが鳴った。
え?
お客様???
私にはこんな朝に訪ねてくるお客様など心当たりが無かった。
私とゼルゼディス様が、誰だろう?と玄関を開けると、そこにはアイスブルーのロングヘアの美女が立っていた。
「あぁ~ん!
ゼルゼディスぅ!
会いたかったわぁ~♡」
彼女はいきなりゼルゼディス様に抱きついた。
「ちょ、ちょっと…!
離れて下さい!
メフィーネ!」
ゼルゼディス様は彼女の事をメフィーネと呼んだ。
「あら、釣れないわねぇ…?」
メフィーネはゼルゼディス様の腕に手を絡み付けたまま、私に冷たい視線を送った。
「だぁれ?
この芋臭いおんなは?」
い、い、芋臭い…!?
私はいきなり、見ず知らずの完璧美女にそう言われてショックを受けた。
「メフィーネ!
口が悪いですよ!
私の妻のエシャロットです。」
ゼルゼディス様はメフィーネを嗜めるが、メフィーネの絡み付いた手を振り解こうとはしなかった。
「エシャロット、メフィーネは…」
「愛人でぇす♡」
「あのね、メフィーネ、しばかれたいんですか?」
「あらぁ、そういうプレイ?」
2人のやりとりを何も言えずに見る私。
「違います!
あ、エシャロット、メフィーネは友人の1人で…」
何故か焦って説明するゼルゼディス様。
「へぇ、そうですの…!
それにしては、とても親密に見えますわ!」
「え、いや…
メフィーネは妹のような存在でして…」
「まぁまぁ。
ゼルゼディスぅ、玄関で話すのは疲れるわぁ。
中に入れてくださらなぁい?」
メフィーネが色気たっぷりに言う。
怪しい…!
ゼルゼディス様の焦りよう…!
絶対に何かあるわ、この2人…!
女性としての第六感が働いた瞬間だった。
「ちょ、私たちは今から王都に…」
「キャンセルしなさいよぉ。
そんなのいつでも行けるでしょぉ?」
「旦那様?
“ご友人”がせっかくいらしたのですから、リビングにお通ししては?ニッコリ」
笑顔を作ったものの、きっと私の目は笑っていないだろう。