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メフィーネさんは黒の胸の空いたグラマラスなドレスを身に纏っている。
アイスブルーの髪は朝日に反射して輝いているし、ダークシャドウで囲った目元はエキゾチックな美しさを醸し出している。
まぁ、10人に聞けば10人が美女だと答えるだろう。
リビングに通すと、メフィーネさんは窓側のソファに座った。
対面のソファに私とゼルゼディス様が腰掛ける。
「一体何のご用ですか?」
「あらぁ、釣れないわねぇ、ホント。
私ってほら、旅好きじゃなぁい?
で、偶然隣街まで来たら、タマゴヤキ店とか言うのがこの領地にあるって聞いたのよ。
それで、食べに来たのは良いんだけど、ほら、あなたの領地のセイラって宿屋が無いし、困っちゃってぇ。
それで、ゼルゼディスの家に泊めてもらおうって訳♡」
メフィーネさんはお茶目に言う。
泊まる!?
家に!?
「はぁ…
メフィーネ、悪いんですけど、以前とは違うんですよ。
私にはもう奥さんが居ますし。
悪いけど、泊められませんよ。」
ゼルゼディス様はため息を吐き言った。
「あら、泊まるって言っても、私はソファで寝るからぁ!
ねっ、良いでしょう?
どう?
エシャロットさん?」
メフィーネさんは急に私に話を振った。
私は…
「私は…別に構いませんわ…」
と言うしか無かった。
妹の企みによって結婚した私たちは、別にお互いに愛し合ってるわけでは無いのだ。
いや、少なくともゼルゼディス様は私なんて愛していない。
「あらぁ、優しーい♡
良い奥さんねぇ、ゼルゼディス?」
メフィーネさんが言う。
「本当に良いんですか、エシャロット…?」
「えぇ、もちろん構いませんわ。ニッコリ
だって…
大切な”ご友人”ですものね…!」
私は恨みを込めて言う。
「良かったわぁ!
じゃ、早速3人でタマゴヤキ食べに行きましょうよぉ!」
メフィーネさんはバッグからコンパクトを出して、メイクを確認するとそう言った。
私なんて…
5分のメイクだし…
服もぼろぼろで…
私は負けた気しがしなかった。
「エシャロット?
大丈夫ですか…?」
「いえ、お腹空きましたわ。
行きましょう。」
そうして、卵焼き店に3人で入った。
なぜ、こんな事に?
今日はゼルゼディス様との2度目のデートのはずだったのに…
いきなり怪しい友人が現れて…
「私は、コーンチーズが良いわぁ♡」
メニュー表の上を、メフィーネさんのネイルした綺麗な指がなぞった。
私は畑作業で爪も黒ずんでるし…
メフィーネさんは私とは正反対の美しさだった。
そんな事を思いながら、卵焼きを何とか喉に通した。
味は分からなかった。