「はい、どうぞ」
鍵を開けて、ドアを開ける
「お邪魔しま〜す」
逃さぬぞと、先に入る様に促すと
何の躊躇いもなく、部屋の中へ…
「んっ…」
素早く玄関の鍵を閉めて
靴を脱ごうとしていた翔太の肩を引き寄せ唇を奪う…
軽めのキスを済ませた後…
「照…焦り過ぎ…///」
翔太はクスクスと笑い、部屋に入って行く
しかし、その頬はほんのりピンクに染まっている
「俺は、これでも我慢したんだぞ…」
追いかける様に、靴を脱いで部屋に入り
不服そうに口を尖らせる
「我慢って…///」
「だって翔太、可愛いんだもん」
「だもんって…そんな事思ってるの、照だけだって///」
「え〜そうかな?まぁ、その方が俺にとっては都合良いけど…」
恋敵なんて、居ない方がいい…
恋愛には、少しのスパイスが必要だと言うけれど…
そんなもの無くたって、俺は毎日翔太にドキドキしてる
「///恥ずかしい奴め…あぁ〜!もう腹減ったからチャーハン作って!」
話を逸らすかの様に、話題を変えた翔太に
『そんな所も可愛いなぁ〜///』
何て思ってしまったが…
これ以上言うと
拗ねて『帰る!』と言い出しかねないので
何も言わずにおいておく
「了解。すぐ作るから翔太は手洗いと、うがいしておいで」
「ん」
茶化さなかったのが功を奏し
素直に洗面所に向かって歩いて行く
「さてと…」
自分もキッチンで手を洗い、腕まくりをして早速料理に取り掛かる
「これ、邪魔だな…」
かけていた眼鏡をテーブルに置き、冷蔵庫の中を漁っていると
リビングに帰ってきた来た翔太が、ジッと何かを見つめている
「ん?気になるものでもあった?」
「ん…いや…何でもない…」
料理をしながら問い掛けると、歯切れの悪い返事…
「………」
しかし今は、美味しいモノを食べさせるのが優先!と
俺は、特に突っ込まずに作業を続けたのだった