コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
白栖さんハンドアウト公開!!
ーーーーー
白栖「ハンドアウト『呼ばれた者』」
ヨセミテ渓谷エル・キャピタン。
そこでロッククライミングをする二人のクライマーがいた。
一人は小雨白栖。もう一人は緑井凜々蝶だ。
緑井凜々蝶が口を開く。
凜々蝶「俺はね、クライミングを”禅”のようなものとして捉えてるんだ。」
彼は登りながらそう話しかける。
凜々蝶「極限の集中、命の終わりが皮一枚になるその瞬間の中が皮一枚になる、その瞬間の中で研ぎ澄まされていく精神。」
凜々蝶「その時にだけ至ることが出来る、心理のようなものを、俺は探し続けてるのかもしれない。」
そうして岩壁を登りきった時、君と繋がったロープを解きながら、彼は意を決したように言った。
凜々蝶「…狂気山脈に行くことになったんだ。きっと、かつて無いほど危険で、極限の戦いになると思う。」
凜々蝶「俺の求めてるクライミングが、そこにあるかもしれない。」
凜々蝶「…安心してくれ、命を絶ちに行くんじゃない。よく間違えられるけど、俺はそんなにやわじゃないからね。」
凜々蝶「命を失っちゃったら元も子もない。」
凜々蝶「必ず帰ってくるさ。」
白栖「先輩なら…まぁ別になんてことないですよ」
凜々蝶「まぁ俺より技術がある…白栖に言われたら大丈夫だね」
白栖「…そんなことないですよ」
凜々蝶「いつかきっと…白栖を認めてくれる仲間が現れるよ。」
そう言い残し、彼は還らなかった。それから君は、よく夢を見るようになった。
目が覚めると明確な記憶は失われているが、それはいつも溺れそうな息苦しい夢であったことだけは覚えている。
デナリーから狂気山脈への登山に誘われた時、君を支配したのは、『行かねばならない』という不気味な焦燥感だった。
小雨SAN値-2。
ーーーーー
白栖「まぁだからなんだ…」
白栖「今回は俺の先輩が…成しえなかった、この狂気山脈の登頂を目指してたんだが…」
白栖「…リーダー曰く、危険だったら途中で下山するらしくてな。」
白栖「正しいのはもちろん分かってるんだが…自分の中で迷っててな…。」
白栖「もし仮にだが…あの4人が下りると判断した時…」
白栖「あんたは俺と一緒にこの狂気山脈を登ってくれないか?」
ワン「…ここは俺の山だ」
ワン「お前らが後ろから着いてくるのは構わないが…」
ワン「俺は1人で先に登る。」
テント越しにそう言うと、ワンは電気を消しもう話す気がないといった感じです。
白栖「ありがとな…。」
ーーーーー
直生「今俺たちって…食料30日分ありますけど…」
直生「もしビバークし続けたら…あの人どうするんですかね…」
玲亜「確かに勝さん大丈夫なのかな…」
デナリー「あの協調性の無さを見るに、勝手に突き進みそうだがな…」
直生「もし天候が悪くビバークし続けて…ワンさんの食料が尽きたら…」
直生「食料を分け与えて…協力させるのも…!!(笑顔)」
サビタ「そ、そんな恐ろしいことを…」
玲亜「でも山は自己責任って聞いたよ」
デナリー「まぁその時がきたら考えればいいことだ。今はこの山を登ることに…集中しよう…」
ーーーーー
標高5000m地点での夜。
皆が寝静まったテントの中で、小さく物音がした。
望月 玲亜は目が醒め、”デナリー”がテントの中に居ないことに気づきます
玲亜(あれ…デナリーさんが居ない…)
玲亜(外にいるのかな…?)
そう思い外に出ると…
そこには満点の星空を一人で眺める、デナリーの後ろ姿があった。
デナリー「…起こしてしまったか。」
玲亜「いや…大丈夫…!」
玲亜「こんな夜にどうしたの?」
デナリー「特にどうってことはない…ただ…星を見ていたんだ。」
デナリー「南極だからオーロラの一つでも出るかと期待していたが、今日はハズレだな。」
デナリー「しかし、冷えるな、やはり。」
デナリーがそう言いますがよく見ると、彼女の肩が小さく震えている。
玲亜はただただ寒いから震えてるんだろうなと思った。
玲亜「デナリーさん…寒いの?」
デナリー「…やはり夜は冷えるからな…」
玲亜「明日も朝早いんだし…もう寝た方がいいんじゃない?」
デナリー「そうだな…すまない起こしてしまって」
玲亜「…全然大丈夫だよ」
ーーーーー