『いらっしゃいませ〜…て 』
ゲ。
オイカワ「…あッみっ…美樹ちゃんじゃん!ハロ〜」
徹先輩じゃん……。
『…こんばんは、徹先輩』
この前も来てた人達と一緒だ。
けど、なんか、。みんな…………。
オイカワ「6…名で!」
なんか………。
『はい…こちらのお席へどうぞ』
イワイズミ「ッ…うす」
ハナマキ「ッ…」
マツカワ「………」
オイカワ「…グスッ…」
キンダイチ「…ッスッ…グスッ」
クニミ「……」
泣いてる?
『失礼します、お冷とおしぼり置いときますね』
いつもなら、
おちゃらけた感じで話しかけてくる徹先輩だけど
オイカワ「……ありがと」 と
それだけ。
『ご注文決まりましたらお声掛けくださいね』
なんだかとても空気が重くて____
いつもの徹先輩じゃない。
周りのみんなも徹先輩の事からかったり、わちゃわちゃしてないし____
ふと、
今日の試合、どうだったんだろう。
試合結果の事が頭によぎる。
準決勝勝ったのかな?烏野に。
勝ったら明日、白鳥沢とだもんね。
…徹先輩の事だから、明日決勝だったら
白鳥沢の録画のDVD見たりとか
してたよね………?
付き合ってた頃、明日決勝戦を控えていたのにも関わらず、夜遅くまで起きて分析してるような人だった。
電話を繋げっぱなしで私が先に寝落ちしてしまって、
ふと夜中に目を覚まして
徹、先輩……
と呼びかけてみたら
夜中の3時だというのに
「ん…?どうしたの?美樹ちゃん」
という返事とテレビの音が聞こえてきたっけ____
…なのに、なんで、。?
白鳥沢は若利くんや賢二郎もいるから
絶対に負ける事はない。
今回も青葉城西には絶対に負けないという自信がある。
………
3年生は負けたら引退だから____
…負けたの?
イワイズミ「…ッ注文いいっすか」
『はい……』
席に向かう______
オイカワ「…あんま頼まないでよね俺の奢りなんだか…イワイズミ「醤油ラーメン大盛りで」」
ハナマキ「とんこつラーメン大盛り」
マツカワ「坦々麺餃子追加で」
キンダイチ「とんこつラーメン餃子追加でお願いします!」
オイカワ「みんな…!?」
クニミ「…塩ラーメンで」
オイカワ「国見ちゃんっっ……」
クニミ「やめてください、ひっつかないでください 」
オイカワ「もう〜〜薄情だなぁ!こっちは傷心だってのに!!」
……。
『あの、……』
注文を繰り返す予定だった。
『試合、もしかして…烏野が…』
けれど、頭で考えてる事を口に出してしまった。
私がそう、言った後
さっきまでは普通に話してたみんなが黙り込む。
そして、
徹先輩が
オイカワ「…試合、負けたよ」
『え?』
オイカワ「…だから俺たちは今日で引退なの!
後輩に負けるだなんて、ほんとダサい…ッグス」
イワイズミ「…それを言うなら、あの時スパイク決めらんねー俺なんか…ッウ、やべぇッグス」
……。
信じられなくて、
私は何も言えなくて
ただただ、無言で徹先輩が涙を流すのを見つめた。
あの、徹先輩が。
泣くなんて_____
その後、私は淡々と仕事をこなす事しかできなくて。
徹先輩も含めて何人か泣いてる人達を横目に
笑顔で、
なるべく笑顔で
接客をしたんだ______
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!