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黄side
どうして僕は今、こんな場所に立っているんだろう
少し顔を上げれば自分に向いてるスポットライト
変な目で見る男の人たち
そして、
それはきっと僕の価値
僕はΩで、その中でも珍しいSランクらしい
500万から始まって4500万まで上がったお金
逃げなきゃいけないのに、足が震えて動かない
どうしてこんなことに…
頭の中にはそれしかなかった
今までの生活は決して良いものとは言えない
物心ついてから、朝から晩まで檻の中
人生で出会った人は2人
僕のご飯を持ってくる人と、僕の体を見る人
そんな生活に今は戻りたくて仕方ない
僕をこんな変な目で見るおじさん達に
こんなとこ、早く逃げたい
だけど足を動かせばジャラジャラとなる鎖
僕の右と左で立っているスーツを着た男の人
逃げられない
涙が出てきた
でもすぐに止められた
『メイクが崩れる』と蹴られたから
そしたらなんだかどうでもよくなって、ただ、上がっていく金額を脳に刻んだ
青side
手を上げて、100万ごとに金額をあげていくおじさん達
こいつらの目線の先にいるのは、レースのようなふわふわとした服をきてメイクを施した可愛い男の子
なぜこんなにもこの男の子の価値がすごいかというと、単純にΩだからだ
Ωというものは他の人間とは色々なところが違う
まずΩは珍しい
人間の半分がβの世界
Ωの割合は約5%
Ωというものはそれほど珍しい上、発情期というものがあり、その時にする
いわゆる”愛し合い”とういうのは夢に見るほど気持ちいいという
それはβでも感じるが、Ωの発情に感じるαはもっと気持ちいい
ランクが上になればなるほど
そのため昔は無理矢理Ωを犯したりする人もいたそうだが、法律によって禁止された今、Ωとヤるにはこのような闇オークションを使うしかない
しかも今目の前にいる奴はSランク
いろんな人間が金を出すのも分かる
そんな他人事みたいに話して、興味がないのか?と思われるかもしれない
興味がないわけじゃないんだ
実際僕はこのΩがほしい
大分前から目につけていた物だったから
ただ、まだ何も言っていないのは底辺の人間の姿を楽しむため
モブ 『100億ッ!』
『これでどうだ…!』
ほら
100億で買った気でいる
少ねぇんだよ
司会 『それでは100億で落sッ…』
モブ 『はッ…?』
『100兆でどうですか?』
『あぁもちろん、まだ出せるなら待ちますけど』
モブ 『チッ…』
司会 『そ、それでは…100兆でら、落札ッ…!』
司会 『これにて…今回のオークションを、終了いたします…』
モブ 『クソッ…あの野郎ッ…もう少しで手に入ったのにッ…』
ゆっくり歩いて彼の元に向かう
司会 『あ、あの…商品の受け渡しの前にお金をいたdッ… 』
司会 『ひッ…す、すみません』
こんなんで怯えるのによくこんなオークション開けるなと思う
体を持ち上げるとほんのり甘い香り
それは香水や柔軟剤とかではなく、この子の香り
震えた体をそっと抱き締めて
コメント
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フォロー失礼しますm(_ _)m
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