テラーノベル
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監獄の最上階、制御中枢へと続く巨大な扉の前に、二人は立っていた
背後の廊下には、MENがハックして無効化した守護兵の残骸が転がり
おんりーが切り裂いた魔法の残滓が火花を散らしている
ここまで来るのに、どれほどの魔法と理不尽を叩き潰してきただろうか
おんりー 「……準備はいい、MEN。ここを越えたら、もう後戻りはできないよ」
おんりーは愛剣の柄を握り直し、隣に立つ相棒を見た
MENは、手に持ったデバイスの画面を最後の一枚まで整理し、不敵な笑みを浮かべて頷く
MEN 「後戻りなんて、最初からする気ないよ。
……さあ、この『バグだらけの世界』の管理人に、最高に失礼な挨拶をしに行こうか」
二人が扉に手をかける前にそれは内側から静かに、だが圧倒的な威圧感と共に開かれた
部屋の中は、無数のモニターが浮遊し、巨大な魔力炉が脈打つ異様な空間
その中央、豪華な椅子に座り、二人を見下ろす一人の男――この監獄の主、管理者だ
管理者 「……素晴らしい。まさか、魔法という完璧な秩序をこれほどまでに汚す『エラー』が現れるとはな
だが、それもここまでだ」
管理者が指をパチンと鳴らすと、部屋全体の魔力密度が急上昇した
おんりーの肌を刺すような、重苦しいプレッシャー
天井には、この監獄の全エネルギーを注ぎ込んだ、巨大で複雑な魔法陣が展開される
おんりー 「……秩序? 俺たちから記憶を奪い、力さえも実験台にしようとした奴が、よく言うよ」
おんりーは一歩、前へ踏み出す
その足元が爆発的な速度で地面を捉えるが、管理者の周囲には見えない壁が幾重にも重なっていた
管理者 「無駄だ。ここにあるのは、この世界の理そのもの
お前の速さも、その男の小細工も、神の理には届かない」
MEN 「神の理、ね……。おっさん、一つ教えてやろうか」
MENがデバイスを床に叩きつけるように置くと、彼の周囲に幾何学的な紋様が爆発的に広がった
それは、魔法陣を「物理的に」上書きし、空間の定義を書き換えるハッキングフィールド
MEN 「プログラムに『絶対』なんてないんだよどれだけ強固なコードだろうと
俺たちが揃えば、それはただの『書き換え可能なテキスト』に過ぎないんだわ」
MENの指が空中で踊る。 それと同時に、おんりーの足元に光の道が現れた
管理者の魔法が届かない、MENだけが作り出せる「安全な最短ルート」だ
MEN 「おんりー、0.1秒後に左から来る圧殺魔法は俺が相殺する! お前は、その奥にある魔力供給源だけを見て!」
おんりー 「……了解。一瞬、道を開けて」
おんりーが地を蹴った。 その瞬間、彼は「音」を置き去りにした
管理者が放った、触れるものすべてを虚無に帰す「消滅魔法」
それがおんりーに届く直前、MENのデバイスから放たれた黒いノイズが魔法を「拒絶」し、空間に穴を開ける
おんりーはその針の穴を通るような隙間を、一糸乱れぬ動きで駆け抜けた
管理者 「なっ……魔法を、無視した……!? この私が作った計算式を、力ずくで……!」
おんりー 「……あんたの計算、遅すぎるんだよ」
おんりーは空中で剣を翻し管理者の足元で脈動する巨大な心臓――魔力炉の核へ、全体重を乗せた一撃を叩き込んだ
監獄全体を揺るがす、凄まじい大爆発
供給源を断たれた魔法陣が、ひび割れたガラスのように音を立てて砕け散る
管理者は衝撃波に吹き飛ばされ自らが作り上げた完璧な世界の崩壊を、ただ呆然と見守ることしかできなかった
管理者 「馬鹿な……。私の……私の完璧な監獄が……」
MEN 「完璧なんてものは、この世にないんだよ。……少なくとも、俺たちが二人で笑ってる場所にはね」
MENはおんりーの隣まで歩み寄り、肩で息をしながらも不敵に笑った
監獄の壁が剥がれ落ち、異空間の隙間から、本当の夜空の星が見え始めていた
おんりー 「……終わったんだね、MEN」
MEN 「……いいや、まだだよ。おんりー、最後にもう一つだけ、俺たちの『エラー』を完成させなきゃ」
MENは再びデバイスを操作し始める
それは脱出するためのものではなく、この監獄の全データを、
そして自分たちが「囚われていた事実」そのものを、世界の記録から抹消するためのプログラムだった
MEN 「俺たちがここにいたなんて記録、誰にも見せたくないでしょ? ……二人で、跡形もなく消えちゃおうよ」
おんりー 「……ふふ、そうだね。MENとなら、どこへだって消えられそうだ」
崩壊する監獄の最上階。 足元が光の粒子となって消えていく中、二人は夜空へと投げ出された
背後では、巨大な監獄が、まるで最初から幻だったかのように、音もなく夜の闇に溶けていく
落下する感覚。 だが、そこには恐怖なんて微塵もなかった。 おんりーは隣を飛ぶMENの手を、しっかりと掴んだ。
おんりー 「……MEN、これからどうする?」
MEN 「んー。まずはさ、この腕に刻まれた変な魔法の痕、全部消しに行こうよ
……それから、世界中で一番美味い飯を食べに行こう。もちろん、おんりーのおごりでね」
おんりー 「またそれ? ……まあ、今回は特別にいいよ」
二人の笑い声が、夜風に溶けていく。 朝焼けの光が地平線から顔を出し、二人の背中を優しく照らした
自由になった二人の前には、もう誰も遮るもののない、果てしない世界が広がっている
魔法監獄のデータログ、最後に残された一行
【Error:脱出成功。共犯者は、自由へと消去されました】
――その日、世界から一つの「不条理」が消えた
残されたのは、朝露に濡れる静かな草原と、どこまでも続く青い空
そして、誰も知らない場所へ向かって、最速で駆け抜けていく二人の足跡だけだった
【エピローグ】
数日後
とある街の片隅にある、静かなカフェ
おんりー 「……MEN、まだそれやってるの」
おんりーは呆れたように、向かいの席で端末を叩き続ける相棒を見た
手元には、もうすっかり冷めてしまったコーヒー
MEN 「あとちょっと。……あの監獄のデータ、完全に消したつもりだったけど、バックアップが一つだけ残っててさ
……ほら、おんりーが守護兵をボコボコにしてる時の映像」
おんりー 「……っ、そんなの消してよ! 恥ずかしいでしょッ…//」
MEN 「いいじゃん、かっこよかったよ? ……まあ、俺にしか見られないようにプロテクトかけとくけどね」
MENはいたずらっぽく笑い、画面を閉じた
窓の外には、穏やかな日常の風景が広がっている。 かつて監獄で感じた、あのヒリヒリした緊張感はもうない
けれど、二人の間に流れる「言葉にしなくても通じ合う空気」は
あの過酷な場所を共にしたことでより一層深まった気がした
おんりー 「……次は、もっと普通に旅をしたいね。魔法の罠とか、管理人の説教とか抜きで」
MEN 「賛成。……でもまあ、もしまた変な場所に閉じ込められたとしても」
MENはコーヒーを一口飲み、おんりーを真っ直ぐに見つめた
MEN 「おんりーがいるなら、俺は、何度でも世界をバグらせてやるよ」
おんりー 「……重いなぁ。でも、俺もMENがいなきゃ、あんなに速くは走れないから」
二人は顔を見合わせ、今度は心からの、穏やかな笑みを浮かべた
最強の『共犯者』たちの物語は、こうして、日常という名の新しいページへと続いていく
以上で完結となります…!!
最後まで見ていただき本当にありがとうございました(*´꒳`*)
今回、「Error」というキーワードをメインとして書き進めてみました!
前よりは成長しているような…していないような、、
♥、コメント、フォロー 良ければお願いします…!!
コメント
3件
すごい!このストーリー見てると、文章がアニメになって頭の中に映し出される!!しかも面白い!