あの日…。あの場所で、僕はあの人に心を奪われた。
絶対に忘れないあの60年前のその人を、気持ちが変わったあの日を。
そして見つけた希望を……。
僕は目を覚ますとどこか分からない暗い路地裏に座っていた。
「ここは、どこなんだ、うっ。 頭が痛い。何か僕したのか。」
しかし何も思い出せずここにいる前何をしていたのかも分からなかった。
さらに頭の痛さと疑問や色んなものが入り混じり僕は混乱していた。
「とりあえず家に帰らないと…いや別にいいか。 家に僕を待つ人はいない。」
この青年”白凪 琥珀” (17歳)は先月父と母を交通事故で無くしていた。
その日は2人の結婚記念日で外で外食してくるとウキウキしていた。
「ちっ。」
そのせいか琥珀は軽い鬱状態へと陥っていた。
何をしても何も感じず、本来楽しいことも楽しくない。そんな状態だ。
がしかし、流石の琥珀も今の状況に納得出来ず動揺を隠しきれないようだ。
ひとまず立ち上がり、今いる裏路地を抜け出すことにした。
頭が痛いせいでクラクラしながら裏路地を光のある方へと進むと…。
「え? は? 何ここ、なにこれ? 夢?」
動揺を隠しきれない琥珀。
それもそのはずなぜなら琥珀が生きていた世界とは全く変わっているからだ。
改めてしばらく琥珀は考えた。ここはどこなのか。なぜここにいるのか。どこに家があるのか。いや。本当にここはどこなのか。
ずっと考えていると朝何故かテレビであっていたニュースを思い出した。
「ん?まてよ?確か地域番組で、60年前と比較していたような。馬鹿なハハ。
そうだ僕は疲れているんだそうだそうだほっぺをつねれば元に…戻らない。」
諦めたのか琥珀は新しく出てきた道をショボショボとしばらく歩いていると認めたくはなかったがどう見ても60年前の雰囲気と同じと言ってもいいほど似ていた。
「車、電車、飛行機、案内ガイド、店舗、人が働いている。」
琥珀はそこに1番驚いた。
なぜなら。そう。琥珀が元々住んでいた世界(60年後)はほとんどのものが全て技術革新により自動化されAIも発達しにより人が働いてはいなかったのだ。
そのため琥珀は見慣れない景色に驚いたのだ。
「改めてなぜ僕がこんなところに………。」
考えても無駄だと思ったのか諦めてまた歩き始めた。
何分ぐらい歩いたのだろうか。10分?30分?60分?もっとかもしれない。
このくらい琥珀は何も考えきれずただただある道通りに歩いてきた。
この時誰かとぶつかった。
「アイタタタ、あっ! ごめんなさい。」
その時琥珀ははっとして
「アアア。僕もごめんなさいぼーっとしてて。」
そう言って顔を上げると綺麗な黒にちょっと茶色な髪に、きらきらとした少しだけ青い瞳、整った顔、他にもとてもがつくほど綺麗で可愛く美人であった。
この世界に動揺している琥珀がポロッと
「かわいい。あっ。」
と出してしまうほどだ。相当なのであろう。
しかし、これが琥珀の人生に光を差し込ませる第1歩となるとは
その時の琥珀は思いもしなかった。
「そうだ。ここでぶつかったのも何かの縁だし悩んでて暇なら着いてきてよ」
そう言って綺麗な女の人は琥珀が返答する間もなく引っ張っていたのだ。
〜第2話へと進む〜