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東方日常録

1 - 第1話 日陰と旅地の魔法使い

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2024年09月13日

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パ「ふぅ、ようやく読み終わったわ。」

そう言って本を閉じる。私ことパチュリー・ノーレッジはたった今読んでいた本が終わったところなのだ。

小「お疲れ様です。本閉まっておきますね。」

パ「あぁ、ありがとう。」

この子は小悪魔、私の眷属で『コア』と読んでいるわ。

小「新しい本持ってきますか?」

優秀な子で悪魔とは思えないほど気が利く子なの。

パ「いえ、ありがたいけど今はいいわ。だいぶ長編でね。物語を頭の中だ整理したいの。」

小「小説なんて基本読まないですからね。了解です。」

そう言ってコアは本を元の場所に戻し、お掃除に戻る。本当にいい眷属を手にしたものだわ。

パ「それにしても暇になったわね。今は本を読む気もないし、とは言ってもこんなジメジメした場所じゃゆっくり脳を使うのも気が引けるわね。」

?「話は聞かせてもらいましたよ〜?」

そんな声がして、扉が開く。訝しんで中を見るとそこにはこの紅魔館の門番こと紅美鈴が居た。

パ「貴方、この時間に何してるの?またサボっていると咲夜に怒られるわよ。」

紅「まあまあ、そんなことより…」

図星ね。

紅「こちらプレゼントです。」

パ「これは…」

それは『輪湯嘉(りんとうか)温泉』と書いてあるチケットだった。

紅「最近近くで旧地獄の鬼が温泉を経営し始めたらしく、そのチケットをたまたま貰ったんです。」

そんなことが…おそらく外でだろうし、見張りもたまにはプラスになるのね。

パ「なるほどね。でもこれ、私にくれちゃっていいの?温泉なんて中々行けないでしょうに。」

紅「いいんですよ。どうせ行く暇もありませんし。」

中々に悲しい理由ね。

紅「それに、今のパチュリーさんの方が有意義に使ってくれそうですし。感想さえ聞かせてもらえれば満足です。」

随分と優しいのね。

パ「それじゃあお言葉に甘えちゃおうかしら。ちょうど予定も無いしね。」

紅「そうしてください。それでは仕事があるのでこれで。」

そうして、美鈴は早足で出て行った。やっぱりサボっていたらしい。

パ「まぁ、いいものくれたし、今回は見なかったことにしてあげるわ。」

そうして、支度をする。私はただでさえ喘息があるので準備は念入りにだ。

因みに紅魔館のメンバー程度なら、会話に意識する必要が無いので喘息が起きづらかったりする。

まあ、喘息は心配だけどせっかくだし、行ってみることにしよう。

パ「コア!少し出かけてくるわ。」

そうコアに知らせを出しといた。

小「どこに行ってらっしゃるんですか〜?」

普段、外に出ない為か、そんな質問が遠くから帰ってくる。まあ、隠すほどのものじゃないし伝えておこう。

パ「温泉よ!ちょうどチケットを貰ってね!たまにはリラックスしようと思うの!」

そう伝えると、パサパサと急いで飛ぶ音が聞こえてきた。

小「それって、輪湯嘉って温泉ですか!」

知ってる単語を唐突に言われ、一瞬脳が硬直するが、直ぐに思考をめぐらせる。

パ「まさか貴方も…」

そう言うとコアはニコッと私と同じチケットを取り出した。

小「実はあっちゃいます!作業もひと段落済んだのでお供させてもらっても構いませんか?」

考えるまでもない。コアにはいつも図書館の管理でお世話になっているしね。

パ「もちろん構わないわよ。さぁ、行きましょう。」

そうして、私達2人は紅魔館を出た。

因みにまだ美鈴はその場に居なかった。

捕まったか、どこかで道草食ってるかのどっちかね。

まぁ、そんな事はさておき、場所はコアが知ってるらしく共に移動する。

小「それにしても、最近は色々ありましたね。」

不意にコアが話題をふる。まあ旅路での雑談は醍醐味の1つね。付き合いましょうか。

パ「そうね、幻想郷の全員が操られた時はさすがに肝を冷やしたわ。」

※underlightでの話です。詳しくはそちらをご覧下さい。

小「あの時はありがとうございました。まさか私の事を助けてくれた後、避難もさせてくれるなんて、おかげで最後までなんともありました。」

そう、実はコアは戦闘をメインとする種族じゃない事もあり、避難させていたのだ。

パ「まあ部下を守るのも管轄内よ、ただでさえ紅魔館は私が居ないと緊急時はどうしようもないもの。」

小「お嬢様と妹様を倒したと聞きましたし、影の実力者ってやつですか?なんか憧れます。」

青天井の空でコアがニコニコ話す。その歩きはスキップ混じりでとても楽しそうだ。

パ「まあ、連戦なんかは出来ないし、確かにその表現があってるかもね。総合的な1番はやっぱりレミィか妹様の方だもの。」

小「それでも私はパチュリー様に仕えますけどね。昔の環境はかなり劣悪でしたから。そこから連れ出してくれたパチュリー様には頭が上がりません。」

私とコアにはかなり色々あったりしたが、わざわざ語り合う必要は無いでしょう。

そこで不意にコアの目が光る。

小「ちょっとお昼にしません?」

そうして、キラキラとした目で指さしたのはお団子やだった。

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