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【フランス】
同行組を決めた。私の相手は、イタリア。正直顔も見たくない。どうして私が組まないといけないの?アメリカは「あの事」を知らないから仕方がない。そう思いたくても思えない。私はイタリアの目を盗んでこっそりあの人のところへ行く
[数ヶ月前]
金賞を取った。私の絵。好きな事をやってもいいんだと改めて受け入れられた気がした。嬉しさと驚きが混ざったあの感情、とても心地が良かった。
それから、私の絵に憧れたと、弟子入りしたいという人が現れた。それが、イタリアだ。当時の私はとても嬉しく、熱心に教えた。
イタリアは案外呑み込みが早く、言ったことはすぐにできるようになっていた。ふとすれば絵を描いていて、料理以外にも熱心になれるものを与えてあげた。そう考えると気分が良かった。でも、イタリアが着々と上達いていくうちに、次第に焦りを感じ始めた。
その焦りせいか、コンクールでは実力を発揮できた気はしなかった。イタリアは金賞を取っていて、私は銀賞すらも取れなかった。呆然としていると、周りから陰口が聞こえてくる。一度金賞を取ったのにも関わらずこの結果。期待外れだと言う者もいた。
そんな私を見て、イタリアはすごく心配してくれた。でも私には、それが悪意にしか感じられなくて、それから口を利くことはなかった。私は会うたび声をかけようとするイタリアを無視し、自分の世界に閉じこもった。
そんな中、イギリスだけは私を慰めてくれた。絵の事やイタリアとの事、全部気にかけてくれた。普段のクズっぷりとは違い、大人びていて綺麗だった。
でも今は、
「こんな姿になっちゃって」
イギリスがいる部屋に入った。もう顔半分は削れていて、そこから歯がむき出していた。シルクハットについた大きな目がこちらを見ている。神経が通っているのか、シルクハットと目が合うと、次第にイギリスもこちらを向いた。
私はありがとうだけ言い、イギリスを抱きしめる。イギリスからしたら、わけもわからず周りが勝手に逃げ、閉じ込めてきたという状況。そんな可哀想なことがあってたまるか、私はあの時の恩返しのつもりで抱きしめた。シルクハットが泣いている。姿は違えど、イギリスが泣いているところは見たことがなかった。
そのまま不思議な煙に包まれると同時に、激しい頭痛。あぁ、あなたはこんなに苦しい思いをしていたのね、今私も同じになるから、もう泣かないで。
私の腕にツタが絡まっていた。
【ポーランド】
フランスがいなくなった。同行組のイタリアはかなり焦っていた。僕も役に立たないとと、フランスを探す。
見つけた時にはもう遅かったのか、フランスが謎の煙に包まれているところを見た。うめき声とともに、体の所々にツタが生え、顔面から大きな青い薔薇が咲いた。中心が目玉になっている。フランスの色を吸い込むように、薔薇に色が着く。フランスの体は、ツタ以外白黒になった。薔薇だけが輝いている。真っ赤な瞳がギョロギョロと周りを見渡している。僕は息を殺してアメリカ達の所に戻り、全てを話した。
今回短くてすみません…
コメント
1件
いっつも見てます!ほんとに面白くて大好きです!(キモくてすみません💦)