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桜side

皐月はずっと謎が多い人間だ。

自分が蔑ろにされても、他人が嫌味言われると怒る奴。

何で…自分を大事にしない?

ずっと、不思議だった。

皐月位の力量なら誰でも守れるはず、でも守れてない…。

ずっと自分の考えに必死で…、目の前に居る人を助けるだけ……、後先考えないような俺は不思議に思った……。

目の前に居る人達を助けるのが普通じゃないのかって…。

朝比奈の声を聞いて……、妹の件を聞いて…皐月が狂ってしまったと思った。

助けられた命、でも助けられなかった……。

母親は失踪、父親は自殺、妹も自殺…。

皐月には関係の無いことなのに、まるで自分が加害者かのように振る舞う……。

皐月は被害者なのに…何でこうも危険な事をするんだ…。

自分の命がどうなってもいいかのように…どうして自分を捨てれる?

理解できねぇ……。


皐月side

俺の背中を見たまま動かなくなった遥にハラハラしながら

皐月『……やっぱり気持ちわりぃよな…、ごめん、変なもん見せて。』

俺は急いで服を整えようとしたら

桜「ッ違うッ!気持ち悪いなんて、思ってないッ!ただ、皐月が…、苦しかったんだなって…。俺と一緒で……。」

皐月『俺と一緒?』

遥は黙ったままこくっと頷いて……。

皐月『…俺、もう無理、しなくていいのか?誰かに…助けてって…言っていいのか?』

桜「当たり前だッ!お前は!皐月は!今生きてる、生きたいと思ってんだろッ!!なら!ちゃんと!示せよッ!」

皐月『…うん、示したい、俺がココに居たこと、生きていた事。お前らと過ごした日々幸せで、逃げたくなかった…。だから、もう逃げないし、ちゃんと前向くよ。俺がちゃんとここで生きたってこと証明したい。』

桜side

皐月の目はちゃんと前を向いていた。

ただ、病気でどれだけ生きれるか分からない、ドナーだって見付かってない。

俺らはどれだけ一緒に入れるんだろうか…。

皐月君は平和に生きたい!

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