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舞台は北方の國。
この、時期でも雪が積もる。積もる処の話ではない。猛吹雪である。窓の外は猛吹雪だ。古びた会議室。ここの設備は古く、この部屋を温める石油ストーブの匂いが鼻を突く。豪奢だが、全く寒々しい重苦しい会議室の中で…………
味方の國、北方の國、北欧の國の3カ国による諜報組織のトップリーダーが集結している。極秘裏に行われた会議だ。
吹雪が窓を叩く、重厚なテーブル、顔を隠すような帽子や煙草…………
「奴等は非常に忠実である…………しかしだが時代は変わった。それでも且つ高い能力を有している。始まりから今の今まで、幾度となく裏方で國に対して貢献をしてくれたものだ…………」
「まぁ、確かに…………20年前まではなぁ…………だが情報はすでに共有済み。国家間の秘密はない。」
「うむ…………」
「奴等は活動の場を広げようとしている。勿論、ワシらからのオーダーが減っている事もあるのだろうが。」
「好奇心が過ぎると危険な目に遭う…………」
「ふぅ……知りすぎようとすると危ないぞ、か。
まるで「好奇心が猫を殺す」…………だな」
「もう、スパイはリスクにしかならぬ。」
「そこで…………3國のスパイには、お役御免を被って頂こうと…………?」
「うむ……どう思うね…………」
「北欧の國は、それで良いか、と。」
「スパイはリスク。味方の國も、それに倣う所存。」
「うむ…………では其れ其れの國で特殊部隊を準備し、スパイを一掃する。タイミングは…………1月後の今日、では遅すぎるか?」
「早速、帰国して準備致しましょうぞ。」
「で、それと……シンパシーネックを装着した動物…………」
1人の男が、静寂の後にひとりが灰皿に煙草を押し付ける。
「どう、対処するのか…………」
「あの動物達も、リストに入っているな?」
「当然だ」
石油ストーブに手を当てながら、そう答える。
部屋の外、暗い廊下を兵士が行き来する。
暗い地下の一室で、非情な決定が下された。
外では相変わらず、廊下を行き来する兵士の靴音と、無情な雪と、無常と、権力だけが、音を立てていた。
「みな殺しだな。」
一同は、解散した。
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「Curiosity killed the cat」 意味:好奇心が過ぎると危険な目に遭う。 例:知りすぎようとすると危ないよ、まるで「好奇心が猫を殺す」。
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