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登場人物
(狩野咲 せつな) (影渡 きく) (辻 境介)
桜が、視界を覆うように広がっていた
せつな「さーくーらー、さーくーらー」
きく「満開だねせつなちゃん」
もうすぐ4月
有楽早生刑務所の敷地は、桃色に塗り替えられていた
2人は、ザッサッと竹箒で道に広がる花びらを集めていた
だが、次から次に落ちてくる。
道にはまた薄く桃色の絨毯ができていた。
きく「こんな掃除さっさと終わらせちゃって、早くお花見したいねせつなちゃん!」
せつな「したいねー」
きくとせつなが和やかに作業をしていると、フッと長い影が足元に伸びた。
せつな「辻先輩だー!」
きく「珍しいですね、こんな時間に居るなんて」
きくとせつなは会話を一旦やめて、辻の方を見た
昼に出会うのはここに来て何度あっただろうか。
二人は顔を見合わせた。その目は疑いの色を含んでいる
境介「今日は仕事がないからな、春だというのに変態共は何をしている」
せつな「春は頭のネジがゆるむからね。しばらくすれば出るよ」
きく「何も無いのが1番なんですけどね」
二人はホッとした、やっぱり辻だったと。
せつな「先輩、質問があります!」
辻「何だ、質問か⋯暇つぶしに丁度いい。言ってみろ」
辻は、面白そうに目を細めた。
せつな「ここの桜って赤みが強いですけど、なんでですか?」
せつなの言葉に、きくも反応した。きく自身も気になっていたのだ
境介「色か、それはだな⋯」
二人は、辻の口をじっと見つめた
辻「ここの桜は、所長の趣味で伝説通り死体を埋めてるからな。色はその分赤くなる」
きく「えっ!あれって本当なんですか」
せつな「?」
せつなは辻の答えに首を傾げていた。
その眉間にはシワが寄っている
せつな「先輩、桜の色はアントシアニンによるものだよ。死体は関係ないんじゃないの?」
境介「それは普通の桜がだろ。こんな所の桜は普通じゃないならな」
せつなの頭をガシガシと撫でながら、大きく笑った
境介「だがいい質問だった、そうだなせっかく暇な日だ。お前たちにここの桜について教えてやろう」
コメント
2件
所長の趣味…いつか向こう側にならないことを祈ります