あと2分…!!
急いでバス停まで走る。
何時もこんなギリギリに起きて、バス停に向かってる訳では無いのだが、イッキ見していたアニメが毎回いいところで終わってしまい、つい夜中まで起きて見入ってしまっていた。
う、うわぁ?!
スマホのロック画面の時間を見ていたせいで、余所見をして走っていた。
ふと前を見た瞬間に誰かとごつんと頭と頭が鈍い音と共に重なりあった。
いた…と独り言を呟きながら立ち上がろうと前を見たらまさかの自分がいた。
え…?
痛いと呟きながら立ち上がる自分はあの特徴的な私がもっと知っているに違い無いエセ中国語だった。
ちゃんと前見て歩くよろ…お、お前誰あるか!!
自分の声でそう叫ばれる。
お、落ち着いて下さいよ。私です…
誰がこの状況で…!!
って…菊あるか?な、なんでこんな事になってるある?!
そう騒ぎ立てる耀さんを横目に、とりあえず近くにあるカーブミラーで自分の顔を見るとそこにはしっかり耀さんの顔がバッチリと映ってある。
二次創作で良く見たことがあるので謎に冷静だったと思う。
どうしましょう…学校は…
そう独り言をつくと耀さんが少し楽しんでそうに突っかかってきた。
入れ替わってるって言っても皆信じてくれないあるよ〜!
承知の上ですよ…
学年がそもそも違うし…
私達の学校は中高とエスカレーター制なのである。
自分は高1と耀さんが高2と離れているので余り友達関係など知らない。
なりすますしかないあるよ〜!
えぇ…
目をキラキラさせて嬉しそうに話す耀さんだったが、自分は乗り気ではなかった。でも、その方法が一番無難で皆にも混乱が無い。
…わかりましたよ…
重い口を開いて承諾した。
耀さんの性格や友達関係にはまあまあお互い知っているだろう。
まって…バス…
すっかりこの出来事でバス停に急いで行かなきゃいけないことを忘れてしまっていた。
急いでスマホを見るがもう到着予定から15分も立っていた。今更行ってもバスに乗れる事はほぼゼロに近い。
もうそんな事めんどくさいある!今日は休んで作戦立てるよろし!
そうどんよりと落ち込んでいる自分を見ながら、からかう様に笑って話かけてくる。
今日だけなら…
そう少し思ってしまって休みの連絡を生徒専用の学校のホームページから欠席のメールを送る。
しっかしお前の声でこのテンションはなんか気持ち悪いあるなぁ〜!!
なんですか…まあ、違和感しか無いですけど…
お前の練習しとくある〜!!
イタリア君、おはよう御座います…w
少し小馬鹿にした感じで練習をしている耀さんに少し怒りを覚える。
ほらほら!お前もやってみるあるよ!
こ、こんにちは〜、ある〜
流石の自分でも似てないと痛感する。
菊…お前我の事馬鹿にしてるあるか?やめるよろし!!
耀さんだって〜…!!
少し喧嘩をしていたら誰かに話しかけられた。
おぉ〜…おはよーさん、どうしたん?笑入れ替わった見たいな口調で、喧嘩しはって笑可笑しいわ〜笑
阿?あ、我…は大丈夫です…
めちゃくちゃドキッとしたが、冷静に対処しようとする。
焦って居たのか、 少し会話はズレて居たが耀さんが意外に真面目になりすましてるのに少し驚いたが自分も頑張ってなりすます。
わ、我は大丈夫あるよ!ね?き、菊さん?
は、はい!
ポルト〜…はなんでここにいるある?
少し異変に勘付いたのかポルトさんも話題を逸らす。
あぁ…フツーに寝坊やで?今から学校に行くんや。なんでお前らはここにいるん?ましてや菊は優等生さんやんけ。お前らもあの不良の仲間になったん?笑
冗談交じりに聞いてくる。
ち!?違うある!そんな事聞くなです!!
あんな不良どもとは仲良くする訳ないあ…です!
引き攣った顔で菊が耀の真似をする
そ、そうあるよ〜…
まぁ…なんでもええけど…遅刻するから、じゃあな、お二人さん。
ポルトが見えなくなった瞬間、耀がぽつりと呟いた
訳の分からない奴あるね…
そうですね…
って!作戦を考えるんでしょう!?これからどうするんですか?!
珍しく普段声を出さない菊切羽詰まった顔で焦りが混じった声で言う
嗚呼、そうだったあるね…まあ、我にはわからないある!ここは頭の良い菊が考えるよろし!
は、はぁ…
耀のこのモードに入ったらまともに考えてくれないと知っている菊は一人で考え始める
…そうですね、もう一度頭をぶつけてみるとかはどうでしょう?そしたら治るかも知れませんよ
確かにあるーー!実践あるのみ!やるあるよ!
次の瞬間には目の前に自分の頭があった
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