樹side
優吾「北斗、降りるよ」
北斗「……」
朝から6人での仕事があって髙地の運転でスタジオまで来けど、北斗が車から降りない。
大我「どうしたの?」
慎太郎「北斗ー?降りよ?」
北斗「……やら」
えっ、珍しい。いつもならもう外モードになってるはずなのに家モード…どうしたんだ?
ジェシーが驚きながらもすぐに対応する。
ジェシー「ほくちゃん、抱っこしよっか?」
北斗「やぁ」
10分くらい攻防してたけど全然降りようとしないから髙地が、
優吾「時間も無いし無理やり連れて行くよ。ジェシー抱っこして」
とジェシーに言って、連れて行くことになった。
北斗「いやぁぁ!…うぁぁぁん」
・
・
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楽屋に着いてもまだ泣いてる北斗。
慎太郎「北斗ここ座る?」
北斗「やらぁ、グスッ」
さっきは抱っこを拒否してたくせに今度は座るのを拒否。
大我「どうしたんだろうね」
樹「分かんねぇ」
そう、理由が分かんねぇの。別に体調が悪い訳でもないし家出る前はいつも通りだったし…。
スタッフ「あ、あの…撮影…」
撮影の準備が出来て呼びに来てくれたスタッフさんが戸惑ってる。まぁそうだよな、仕事場で家モードの北斗見るの初めてだし。
優吾「すみません。もう少し待ってもらってもいいですか?」
スタッフ「わ、分かりました。10分後くらいにもう一度伺いますね」
優吾「すみません。ありがとうございます」
スタッフさんに時間をもらったから今の間に話聞かなきゃな。
樹「北斗」
北斗「グスッ、やら…」
名前呼んだだけで嫌だって…。俺、メンタル持たねぇよ。
大我「ご飯食べる?」
北斗「やぁ…」
ジェシー「お散歩行く?」
北斗「いやぁ」
話を聞く前に気分転換させて落ち着かせようと色々試すけど何を言っても“いや”の一点張り。
こうなったら直接原因探ってみるか。
樹「北斗何が嫌だった?」
北斗「ほっくんひとりぼっち…グスッ」
ジェシー「ひとりぼっち?」
優吾「北斗、お話してくれる?何がひとりぼっちなの?」
北斗「ほっくんバイバイ、みんなごはん……うぁぁぁん」
“ほっくんバイバイ、みんなご飯”
どういう事?
大我「……もしかして朝話してた、今日のご飯の事?」
慎太郎「あっ!絶対それじゃん!」
あぁー、そう言う事!
俺ら5人は6人での仕事が終わったら今日は終わり。北斗だけその後ドラマ撮影がある。
で、朝北斗が歯磨きしてる間にリビングで“久しぶりに食べに行くか”って話してた。北斗がそれを聞いてたんだ!
ジェシー「仕事が終わったらみんな行っちゃってひとりぼっちになるからって事?」
優吾「そういう事だね」
大我「仕事が始まらなかったらみんながいなくならないと思ったの?」
北斗「……ぅん」
めっちゃ可愛いじゃん!何その理由!
優吾「ごめんね。北斗の事ちゃんと考えてたら良かったね」
北斗「ん…」
優吾「でもね、北斗。俺らにイヤイヤ言うのはいいけど、スタッフさんに迷惑かけちゃダメでしょ?お仕事勝手に休んじゃダメでしょ?」
北斗「うん」
優吾「ご飯はまた今度みんなで行こ?だから今日はお仕事頑張ろ?」
北斗「………ぅん」
優吾「スタッフさんにごめんなさい出来る?」
北斗「できる」
優吾「よし!偉いねぇ、ヨシヨシ」
髙地にみっちり説教された後、スタッフさんに6人で謝り仕事が始まった。
結局、ご飯は行かなかった。だってあんな北斗の姿見たら申し訳なくて無理だわ。
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