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やっほ!
今日学校授業参観でさ~午後も塾の模試?みたいなやつもあってさ
めっちゃ疲れた~
だから遅くなったの許してちょ☆
いってらっしゃい~
放課後の教室は、昼間よりも声がよく響く。
机を引く音。笑い声。
窓の外からは、部活へ向かう足音とボールの弾む音が混じっていた。
「ちぐちゃん、今日どうする?」
椅子に座ったまま、あっきぃが振り返る。
「部活見学、もうちょっと回る?それとも帰る?」
ちぐさは少し考えてから、首をかしげた。
「……まだ、決めきれてない」
「そっか。まあ、ゆっくりでいいよね」
あっきぃはにっと笑って、立ち上がる。
「らおは?」
前の席のらおが、教科書を丁寧にしまいながら答える。
「チグサが行くなら、どこでも」
「即答じゃん」
あっきぃがくすっと笑う。
「相変わらずだなぁ」
らおは少しだけ視線を逸らした。
「……そういう役目だからな」
「役目って言い方、かたくない?」
「癖だ」
そのやり取りを聞きながら、ちぐさは小さく息を吐く。
(この感じ……少し、落ち着く)
すると、教室の扉が開いた。
「まだ残ってたんだ」
静かだけど、柔らかい声。
振り向くと、あっとが立っていた。
腕には生徒会の書類。表情はいつも通り落ち着いている。
「あっと!」
あっきぃが手を振る。
「どうしたの?」
「巡回。あと、転校生が困ってないか確認」
そう言って、ちぐさとらおを見る。
「学校、慣れてきた?」
ちぐさは少し考えてから答えた。
「……みんな、優しい」
「それはよかった」
あっとはほんの少しだけ、口元を緩めた。
そこへ、ぱたぱたと足音。
「いた~!」
けちゃが顔を出す。
「まだいたんだね。えへ、ちょうどよかった」
「どうしたの?」
あっとが尋ねると、けちゃは書類を抱え直す。
「これ、職員室に持っていくやつ。あっちゃん一人で行こうとしてたから」
「……一人で大丈夫だよ」
「だめだよ~。一緒がいい」
けちゃは当然のように言って、ちぐさを見る。
「ちぐたち、これからどこ行くの?」
「部活、ちょっと見て回ろうかなって」
「いいね~。放課後っぽい」
あっきぃが元気よく頷く。
「じゃあさ、途中まで一緒に行こ!」
「巡回の邪魔にならない?」
らおが聞くと、あっとは首を横に振った。
「大丈夫。少しなら問題ない」
「やった」
けちゃが小さくガッツポーズ。
「えへ、よいしょ」
廊下を歩きながら、窓の外を見る。
夕方の光が、校舎をオレンジ色に染めていた。
「……この時間、好きだな」
ちぐさがぽつりと言う。
「わかる!」
あっきぃがすぐに反応する。
「なんか一日が終わる感じしてさ。でも、ちょっとだけ寂しい」
「でも、嫌じゃない」
「そうそう!」
らおはその会話を聞きながら、少しだけ目を細める。
(チグサが、よく話している)
その変化が、なぜか嬉しかった。
階段の前で、あっとが立ち止まる。
「俺たちはここまでかな」
「ありがとう、あっとくん」
ちぐさが言うと、あっとは静かに頷いた。
「また何かあったら、声かけて」
「うん」
けちゃが手を振る。
「じゃあね~。またね、ちぐ!」
「またね」
二人が去っていくのを見送ってから、あっきぃが言った。
「生徒会の二人、いい人だよね」
「……うん」
ちぐさは小さく答える。
そのとき、ふっと風が吹いた。
誰も気づかないくらい、ほんの一瞬。
らおだけが、足を止める。
(……今のは)
ちぐさを見ると、本人は何も気づいていない様子で、夕焼けを見ていた。
「らお、どうしたの?」
「……いや」
らおは首を振る。
「行こう。日が暮れる」
「はーい!」
あっきぃが元気に返事をする。
三人の影が、長く伸びて重なった。
この世界での時間は、まだ始まったばかり。
けれど、確かに。
少しずつ、何かが動き始めていた。
おかえり~
どうだった?
またね!