この作品はいかがでしたか?
1,334
この作品はいかがでしたか?
1,334
今晩は。黒留です。
地雷様は別作品へ。
其れではどうぞ。
____________________
雨が降っていた。
本当なら喜んで入水に行くが、今は謹慎中だから行かない。お腹が空いていないが何か食べなければいけない。此れも恐らく自殺と判断されてしまうだろうから。
(何かあったかな…)
何か無いかと戸棚を漁るが碌な物がない。どうしたものかと頭を悩ます。この雨天の中買い物に行くにも雨に濡れるのは気が引ける。かと言って何も食べないのは良くない。
「はぁ…仕方ない。雨が弱まるのを待とう…」
雨が弱まる迄本を読む。詰まらない話、哲学的な話、実話から恋愛物まで。
「……あーあ。やっぱり詰まらない。」
どれも興味は無いのだ。彼の小説以外は。
___読みたい。彼の紡ぐ言葉の全てを。彼の思う其の思いの全てを。感覚を。
もし君が今でも生きていたら。もし君が本を完成させていたら。そんな妄想が哀しい程に湧いてくる。
気付いたら雨が止んでいた。時計に目をやればもう既に昼時だった。財布と携帯を持って家を出る。
外は案の定雨で濡れている。然し空は晴天だ。こんなに天気がいいのはなんだか皮肉のように感じる。食材を買うが、食べれるだろうかとくだらない事を考えて足を動かす。ふと川を見る。汚濁し、激しく流れる川をは何処か、怒っている様だった。
家に帰って料理を作る。簡単な物だが、然し。出来上がっても食べる気は起きない。箸を持って料理を口に運ぼうにも途中で止めてしまう。
「………怒られるかな。」
其れは嫌だなぁ…なんて考え乍、でも食べたくないし…と思い、結局夕飯に成った。
暇に成って、ふと押入れを見る。確かここには…と思い返して押入れを探る。
(…やっぱりかぁ…)
あの頃の薬品やら調合器具やらが雑把に入れられていた。暇だし作るだけなら…と取り出して遊び始めた。
____あぁ…此の儘楽に成って仕舞いたい。
「………。」
違う。違うんだ。私は…私は…
【迷惑ならいっそ__】
「違う!!私は…!私は!わたし、は………」
ただ…ただ…私は…
……どうしたいんだっけ。
自問自答を繰り返す。意味の無い問いと答えをただ只管に頭に浮かべる。目の前の薬を見て思う。
(これを飲んだら、こんな事考え無くなるんだろうか。)
なんて。
コメント
5件
うわぁ… めっちゃ刺さりました。ありがとうございます。 初コメフォロー失礼します!