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今晩は。黒留です。
地雷様は是非別の作品へ。
其れでは、どうぞ。
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(これを飲んだら、こんな事考え無くなるんだろうな。)
私は今何を考えたんだ?そんなの、駄目に決まっているじゃあないか。だって其れは、国木田君を、乱歩さんを、皆を裏切って仕舞うようなものだ。それだけは駄目だ。絶対にやってはいけない。
気付いたら作った薬に手を出していた。頭で理解しているのに。思っているのに。興味という本能には抗えない。
水に溶かして一口。目の前をグルグルする様な、クラクラする様な感覚が支配して次第に気持ちの良い感覚が巡って来る。
「…あは、あはは…あははハハハ…!!」
まるで一時の娯楽の様な感覚が。でもすぐに効果は切れる。当たり前だなぁ…と思い乍も目の前の余った薬を見る。
(…まだ、ある。)
今度は全部溶かして全部飲んだ。快楽と其の愉悦。駄目だと判っていても、また求めて仕舞うのだ。この現実から遠ざかる為の手段として。忘れる為の段階として。
意識なんて、とっくに捨てた。
彼は言った。
佳い人間になれと。
何方も同じならと
私の背を押してくれた。
それでも矢張り心には穴が開いた儘で。
何時か
また3人でと思っていた場所も。
もう今は私一人しか来ないのだ。
「大切な人なんですよね?」
曇りのない眼差しで彼は言った。
こんなにも彼に似ているなんて。
重ねてしまっても改めれば違う者だ。
彼がもし成人したら
今度は
四人で行ってみても良いかもしれない。
其れまで私は生きているだろうか。
嗚呼…こんなにも。
気付いたら朝。まだ日は昇りきっていない。辺りをみて、嗚呼、そういえば。と理解する。あの感覚を一刻も忘れる為に。取り除く為に。億劫な体を起こして風呂へ行く。
「…嫌な夢だったよ…ほんとに…何てもの見せるんだい?君は…」
其処でふと鏡を見た。
目の前には自分が居た。あの頃の自分が。血を血で洗う、最年少幹部と呼ばれた。双黒と呼ばれたあの頃の私が。そしてゆっくり口を開く。
『どれだけ人を救おうと、君は僕の儘だ。』
「…違う。」
『どうして?君は何一つ変わらない。』
「違う。」
『君はどんな手を使ってでも目的を果たす。』
「……違う。」
『平気で人を傷つける。』
「ッ…違う…」
『平気で銃を向ける事だって。』
「違う…ッ!」
『違わない。君はどんなに足掻いてもポートマフィアの人間だ。』
「五月蝿い…!」
『認めなよ。本当は、探偵より、マフィアの方が、居心地良かったって…!』
「………五月蝿い、五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!」
「私は佳い人間になる!彼が言って呉れた!背中を押して呉れた!だから私はポートマフィアを抜けて探偵へ来た!お前に何が判る!私の何が……!!!」
嗚呼…こんな悪夢なんて見たくない。でも、でも…
思わず壁にもたれ掛かる。
「ねぇ…織田作、私は…どうやったら君の元へ行けるんだい……」
弱々しく。唯虚しく。静かな声が水と共に流れて消えた。