テラーノベル
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「疲れた〜」
スタジオでやることを一通り終え、家に帰宅した僕の体はヘトヘトだった
入道雲が夏を告げ、僕の故郷を思い出す
夏のお告げが巨大なソフトクリームに見えてお腹の虫がなったけど、デザートはご飯の後で
スタジオでスバルちゃんにかけた術、ちゃんと効いてるみたいで安心した
スバルちゃんはすぐに頑張りすぎちゃうから心配になる スバルちゃんに術をかけてから僕の妖力の消費が著しい
それだけスバルちゃんの中で僕の力が強く働いている証拠
「スバルちゃん、大丈夫かな、、、」
沢山力を使っているということは、それだけスバルちゃんが頑張ってるってこと
体調崩してることきっと忘れてるんだろうな
術をかけている間はずっと妖力が消費されちゃうから省エネモードで行動しよう
作業に取り掛かろうとしたけど、何となく集中できなさそうなのでまた後でやることにした まだまだ空は明るくて、何もしないのはちょっともったいない気がする
そうだ、ちょっとスバルちゃんの様子でも見に行こうかな やること終わってるなら術を解いて、早く治してもらわないと
「僕がいきなりスバルちゃんの家行ったら、スバルちゃん驚くだろうな〜」
ちょっとしたイタズラも兼ねてスバルちゃんの家に向かう準備を始める
ばぁちゃん家から大量のりんごが届いているのでそれをいくつか持っていこう
りんごの入ったダンボールを開けると微かにばぁちゃん家の匂いがした タンスの消臭剤と大好きなばぁちゃんの服の匂い
コンビニ袋に赤色3つ 一人一つと、手土産にひとつ
青い空に少し赤色が混ざる頃 バスに揺られて親友の家へ スバルちゃん、驚くかな 頑張りすぎてないかな 過保護な自分が顔を出す
少しの期待と焦りと共に揺られる心 聞こえるのはバスのモーター音とりんごの入ったコンビニ袋の擦れる音
ガラス越しに流れる景色は青春アニメのワンシーンのようだった
スバルちゃんの家の最寄りのバス停に到着して目的地に向かって歩き出す
連日報道されている酷暑が僕の身体に突き刺さる 太陽がギラギラしてるのが悪い もう少し威力を抑えて欲しい
あつい あまりにも あつい
日陰の下のベンチに座り、バスの中でマナーモードにしていたスマホの設定をオフにした
もうここでリンゴひとつ食べちゃおうかな 一人一つあれば十分でしょ
コンビニ袋を探ってどのリンゴを食べようか選んでいた時、スマホのバイブレーションが鳴った
電話をかけたのはスバルちゃんだった
なんだろう?僕に電話なんて、、、
「もしもし〜?」
「うぁ、、、」
「え?スバルちゃん?」
「まず、、、た、すけ、」
「スバルちゃん?、、、スバルちゃん!?」
まずい きっと何かあったんだ 呑気に座ってる場合じゃない 早く行かないと
珍しく焦る僕の身体は、弾き飛ばされたように目的地に向かった
コメント
2件
最高ですね。続き待ってます