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テラーノベル(Teller Novel)
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その夜、ゴウだけはねむれずにいた。

なぜなら、さっきの話にでてきた大切な人の顔を思い浮かべてしまったからだ。

あれは旅立つ当日の朝だったか・・・・そこに彼女の姿はあった。だが、見ない振りをしたのだ。

(アイツを巻き込む訳にはいかないんだ)ゴウは、心の中でそう思いながらも・・・・実は彼女の泣きそうな顔が今も尚、頭から離れずにいて・・・・時々思い出してしまうのだ。

(あいつは案外泣き虫だからな)

そう1人で呟きながら・・・。

(まだ、大事なことを言ってなかったな)

と、少しにやけながら・・「でも、もう遅いか・」

と、また呟いた。

月明かりに照らされながらゴウはやっと眠りにつくことが出来た。


次の日から5人は色んな魔物と闘った。それぞれの力を駆使して上手く魔物を退治していったのである。

一方ヨシも1人で感じる邪気に戸惑いながらも・・・レイナのくれた弓と矢に助けられて難を逃れていた。

「一体国はどうなっているんだ」ヨシは自分の国に戻れなくなったことに気がついたのだ。

「奴らは一体何者なんだ?」

ヨシにはわからずにいた。なぜ、戦いを挑み続けてくる。【教えてやろうか。】

「えっ?Σ(゚д゚;)」どこからともなく聞こえる声。【それは紛れもないお前自身の心。】

「えっ?俺自身の心?」

【お前の心の闇こそがわれわれが甦った原点なのだ】

「俺の心の闇?そんなまさか・・・・」

【そうだ。お前はなぜここにいる。】

なぜ独りでいるんだ」黒い声は、なぜか質問をしてくる。

「そ、そんなのお前に答える必要は無い!」

「ミュウ!ミュウ!」

ミュウも警戒している。

あの時と同じだ。俺はすでに敵に騙されかけていた。

そのせいで弟は・・・・・母さんは・・・!

「そうか・・・全部お前が仕組んでいたんだな」

【フフフ( ̄▽ ̄)ニヤリッさぁ、賭けをしようじゃないか】

「賭け?」

【お前の家族を殺した少年・・・・・】

「えっ?」

【そいつは今、何も知らないふりをして生きている。つまり、人間のはフリをして生きている】

「生きている・・・・少年・・・?」

【そうさ、お前の家族を殺したのは青年だ】

「違う!違う」ヨシは頭を抑えている。聞こえる声を聞かないふりをしようとしている。

【我々の仲間にならないか?】「なるわけないだろ!」

【お前は人間が嫌いなんだろう?なら良いでは無いか】

「違う!」

僕は、人間だ!

【ならばなぜお前は一人でいる。お前を捨てた父親が憎くは無いのか?】

「・・・・・・・」


父親・・・・?

「ミュウ!」

「あっ!ミュウ!!」

ミュウは魔物に向かって走り出した。

【邪魔だ】

「ミュウ!!」

その魔物はミュウに攻撃を与えた。

ミュウは傷つき動かなくなった。

「ミュウ!」

ヨシは、ミュウの元へ駆けつけ、抱きしめた。

「ミュウ!!目を開けろ!」

【さぁ、我々と共に・・・・】

「よくもミュウを!」

【!?この力は・・・・】

ヨシの顔が少し変わった。

「俺は・・・・俺は!」

ヨシは、腰にあった短剣を抜き・・・・・、

「俺はお前を許さない!!」

【ふふふ。未熟なお前に何が出来る。ただ、それを振り回すだけだろ?】

「なんの罪もないものを倒すなんて・・・・」

【やはりお前も戦士の生まれ変わり】

敵はニヤリと笑った。

「生まれ変わりかなんだか知らないけど・・・。俺は1人で生きると決めたんだ。俺には家族がいない!だからそう決めたんだ」【ふふふ。それは面白い。そのうち見に来てやるよ・・・・お前がどれだけ強くなったか】「!?」【そのときはお前が選択する時だ。仲間を信じるかどうか・・・見させてもらおう】

そう言って黒い影に包まれ敵は消えていった。


「ミュウ!」

ヨシは動かなくなってしまったミュウをもう一度抱きしめた。

「ごめんな、ミュウ・・・・ごめん・・・・」

ミュウを抱きしめ涙を流している所へ近づく青年が居た。

「あれ?今、あんた1人か?」「誰だ?」ヨシは、彼を睨んだ。

「いや、強い力を感じたから・・・おかしいな・・・・」「それならたった今、いなくなった」「じゃあ、あんたが倒したのか?」

「さぁ?倒してもいないけど・・・・」

「さぁって・・・。しかも倒してないって・・・・」たしかに、傷ついているのは彼ではなく・・・・

ヨシに近づいていたのはゴウだった。「なぁ?あんた、さっきから何を抱いているんだ?」

と、近づくと・・「触るな!」

「こわっ・・・そんなに怒らなくても。」「1人にしてくれ・・・・」

「その子・・・・怪我してるんだろ?」「うるさい。関係ないだろ?」「だから、何を怒ってんだよ。「いいから、1人にしろ!ほっといてくれ」

ヨシは、ひとり行こうとした。「あのなぁ、こんな物騒な気配の中に1人にしてられるかよっ」ゴウは、石を拾うと念力を貯めて投げた。

すると・・・・

【ギャー】

敵がまた、土の中から出てきた。「な、なんで・・・・」

「さぁね。でも、おれにはわかるんだ。潜んでる敵ってやつが」「えっ?敵?」「あんたさ、風の国の者だろ?」

「そ、そうだけど・・・・」

「腰の短剣に、その弓・・・ただの旅に出たもんじゃないだろ」「旅ではない!道に迷っただけだ。」「ふーん?」

さっきからこいつ、俺の目を見ようとしないな。「もう、いいだろ?」

「あんたも戦士の生まれ変わりか?」「生まれ変わり?」

さっきのヤツもそう言っていた。ん?ヤツは魔物なのか?

「生まれ変わりとはなんだ。俺は、そんなものにきょうみはない。闘いは嫌いだ」

なぜ、闘わなければならない。争いなんて・・・・

「そうか。あなたはそれを誰かに託されたわけではないんだ。通りで俺の剣が反応しないや。でも、その弓の中の1本だけは強い力を持ってるみたいだな」

そう彼が持つ1本だけなぜか不思議な力を感じる。

「人の話が聞こえなかったのか?1人にしろと言ってるだろ?」「戦いに興味が無いって言ってる奴に、こんな危険な邪気の中に1人残せるわけないだろ!とにかくこっちに来て!」ゴウは、ヨシの手を取る。「離せ!」「その子・・・その抱いてる子を手当してくれるところを知ってるからさ。頼むから言うこと聞いて」「・・・・・・」

「ほっておいたら死んじゃうだろ?あんたの大事な分身なんだろ?それくらいわかるよ」「・・・・・・」

ヨシは黙ってその通りにすることにした。

しかし次の瞬間、ヨシの頭にある言葉が浮かんできた。


【よく聞け、青年。お前の目の前にいる少年は誰かわかるか? 】「えっ?」

ヨシは、自分の体が思うように動かないことに気づく。そして、自分の脳裏には思い出したくないある場面が映し出されたのだった。


「・・・・・リョウ」

リョウというのは、ヨシの目の前で亡くなった実の弟の名前だ。

【そうだ。お前の弟を殺したのは・・・・】


「・・・・・・!?」「大丈夫か?どうしたんだ?」ゴウは、ヨシに近づこうとした。しかし、「お前なのか?」「はぁ?なんの事だ」


【ふふふ。そう、コイツだ】

「【許せない・・・・】」

ヨシの顔が、憎しみを帯びた顔になった!!

「なっ・・・・」

ヨシは、弓を引き、ゴウに向けて放とうとしていた。先程感じた邪気が、いままた蘇ってきた。

「【俺の弟を殺したのはお前か?】」「弟?何言ってんだよ!今、あんたと初めて会ったのに・・・・」「【答えろ。】」

ヨシは、何かに操られているように低い声で、しかも目を光らせている。

「なっ」

どういうことだ。この人は、俺を弟を殺した魔物だと思わされているのか?

「兄さん!!」


邪気を感じてほかの4人も集まってきた。

「【答えないと、殺す・・・・】」

ヨシの心は、邪悪な心に犯されかけていた。

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