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「声の輪郭をなぞる時」
レトキヨです!
でも….見方によってはキヨレトにも見えるかもしれません笑
全部わたしの妄想のお話です。
本人様には関係ありません。
よろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
世界には、”男” “女”とは別にもう一つの性がある。
それは力の差ではなく、
上下でも、強さでもない。
「引き受ける事」と「委ねる事」
その二つが、静かに噛み合ったときにだけ生まれる関係。
人はそれを、Dom性・Sub性とサブと呼ぶ。
ドムは支配する者だと言われる。
だが本当は、相手のすべてを引き受ける覚悟を持つ者。
感情も、恐れも、迷いも。
命令とは、相手を縛る言葉ではない。
一方、サブは従う者だと言われる。
けれどそれは、弱さとは違う。
信じる強さだ。
自分を差し出してもいいと決める、意志の形だ。
だからこの関係は、
片方が欠ければ成立しない。
ドムが迷えば、サブは察し、待つ。
サブが揺らげば、ドムは手を伸ばす。
支配と服従は、対立するものじゃない。
互いに選び合うことで、はじめて成立する。
そして――
その性は3〜14歳までの間に発症し、確定する。
しかし、ごく稀に性が変換する 者がいる。
その原因は現在解明しておらず未だに不明な点も多い。
今回の主人公、キヨは平凡なサラリーマンだ。
朝は満員電車に揺られ、夜はコンビニ弁当で空腹を誤魔化す。
どこにでもいる、ただの一般人。
生まれたとき、キヨはサブだった。
身体と心に刻まれていた性質であった。
だが、大学生の頃。
何の前触れもなく、それは反転した。
運命なのか、神の悪戯なのか。
ある日を境に、キヨの内側で何かが噛み合わなくなった。
指示を待つより、先に言葉を発してしまう。
問題はキヨ自身、変換してしまった中身に追いついていないことだ。
後天的なドムだからなのかキヨが発するコマンド(命令)の威力は弱く 中途半端で不器用だった。
元サブの感覚は消えず、
相手の顔色を読み、声色を気にし、
命令を出すたびに「これでよかったのか」と迷ってしまう。
ドムとしては致命的なほど、優しすぎる。
強く出られず、支配が下手で、
それでも逃げることもできない。
命令を出すたびに、胸の奥が軋む。
従わせているはずなのに、
本当は誰よりも相手の反応を気にしている。
支配しようと声を発するたびに自分を責めてしまう。
本来ならばパートナーを見つけ、 「プレイ」と呼ばれるコミュニケーションを通して、
互いの欲求を発散し受け止め合うのが一般的だ。
支配と服従は、力関係ではなく 信頼と合意の上に成り立つ、極めて繊細なやり取り。
だからこそ、この世界では「相性」が何より重視される。
だが、キヨはうまくいかなかった。
後天的にドムへと転じたという経歴は、
理解されにくく、説明するたびに空気が変わった。
興味本位の視線や、値踏みするような言葉。
あるいは、必要以上に距離を取られることもあった。
何より、キヨ自身が自信を持てなかった。
命令を出すことに、未だに慣れない。
強く言えば傷つけてしまう気がして、
優しくすれば頼りなく見える気がする。
ドムとしては、あまりに不格好だった。
何度かマッチングに登録してみたこともある。
画面越しに交わす無難なメッセージ。
やり取りが深くなるほど、
「本当に自分でいいのか」という疑念が膨らんでいく。
結局、続かなかった。
誰かに触れることも、
誰かに委ねられることもないまま、
キヨは今日も一人で夜を過ごす。
欲求がないわけじゃない。
ただ、それを向ける先が分からなかった。
キヨはスマートフォンの画面を伏せ、
静かな部屋でため息をひとつ落とした。
続く
コメント
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dom sub!?めっさ楽しみです!!楽しんで読ませていただきます!!
新作だあー!!!!またky右なんですね!?しかもdomsub!?大感謝祭…カミサマーー… 絶対追います!読みます!楽しみます!!!