本作は『ブルーロック』士道×潔によるオメガバース二次創作です。
執着、依存、暴力表現、性的描写を含みます。
一部、読者様に強い不快感や恐怖を与える描写がございます。
心を守りたい方・特定の表現に耐性のない方は、閲覧をご遠慮ください。
なお、本作はノベル形式での初投稿となります。
拙い表現もあるかと思いますが、どうか“狂気の愛”の行方を、温かな目で見守っていただけると幸いです。
通報・無断転載はお控えください。
※参考・インスパイア等の際は、ひと言いただけると励みになります。
「今日で、元チームメイトの潔選手が行方不明になってから、ちょうど5年が経ちました。士道選手は、そのことについて、どう思いますか?」
記者の言葉がマイク越しに放たれた瞬間⸻
会場全体が1℃だけ冷えたような気がした。
張り詰めた空気に、誰もが息を潜める。
士道は笑った。
だがその笑みは、目の奥に一切の温度を持たなかった。
⸻乾いていた。
⸻凍っていた。
⸻生気のない人形のような、笑み。
「……特に、何も」
無機質な声がマイクを通して響く。
記者は戸惑いながらも続けた。
「では……最近、士道選手は怪我が多いように見受けられますが。腕や、顔にも……裂傷のような傷が……」
ピキリ。空気が割れる音がした気がした。
「あ”?」
士道の視線が、記者をまっすぐ刺す。
その双眸は、まるで肉を引き裂く直前の獣。
記者は言葉を飲み込み、そっとマイクを下ろす。
カメラは捉えた
その時、士道の右まぶたが、わずかに震えていたことを。
それはまるで、封じられた感情が、一瞬だけ、顔を覗かせたようだった。
⸻
夕暮れの裏通り。
誰にも見つからないように置かれた、ぼろぼろのアパート。
その鉄の扉が、ギィ……と重たく開く。
「よいちチャン…ただいまぁ」
甘ったるく、粘つくような声。
その声だけで、部屋の空気は重くなる。
靴を脱がずに土足のまま、室内へと入り込む。
次の瞬間、
バリーン!!!
ガラスが砕け、飛び散った破片が士道の頬を切り裂く。
血が一筋、彼の顔をつたう。
「ん〜、今日も元気だね。よいちチャン」
どこまでも優しい声音だった。
だからこそ、恐ろしかった。
薄暗い部屋の奥、畳の上に倒れこむように蹲っている男⸻
潔 世一。
ガリガリに痩せ、骨ばった肩が沈んでいた。
手足には古い裂傷が無数に走り、顔には生気のないクマ。
虚ろな瞳が、ただ、遠くを見つめていた。
部屋には、乾いた血の匂い。
サビと鉄と、腐った埃の臭いが混じっていた。
士道はそっと、彼に手を伸ばす。
「ねえ、よいちチャン。こんなとこやめよ? 俺んちで一緒に住もう。お風呂もあるし、ごはんも、布団も……俺も、いるよ」
その時だった。
潔が、かすかに動いた。
その手が、士道の手を____
パシン、と弾いた。
音は、小さかった。
でも、それは痛みにはならなかった。
もっと、別の感情が、胸を突き刺した。
「……いかない」
掠れた声が、空間に落ちる。
枯れ枝を踏んだような、乾いた音。
士道の瞳が揺れる。
けれど彼は、笑っていた。笑ったままだった
「……ごめんね。よいちチャン。俺さ、ほんとはもう、限界だったんだ」
ポタポタと血が落ちる。
士道の頬の傷から流れ出たそれが、床に小さな斑点を作る。
「だから、今日からは強制ね」
――潔の意識が、スウッと落ちていった。
⸻
潔side
暗い。冷たい。痛い。
「どうしてまだ生きてるんだ俺……」
動けない。
声も出ない。
何かを考えようとしても、脳が霞んでいる。
でも奴は、来る。
必ず、あの足音とともに。
「よいちチャン!!」
あの声が響いた瞬間、喉の奥がひきつった。
視界が滲んで、霞んで……だけど、わかる。
「あ…?し……ど……」
掠れた声。
もう、どうでもいい。
「今日からは、俺んちで一緒に住もうね?もう準備、全部終わってるから」
何言ってんだ、こいつ。
俺と暮らして、なにが得になる?
飯も食わない。寝ない。喋らない。
壊れてるだけのゴミに、何の価値が?
「……ばか」
それが、口から漏れた唯一の言葉だった。
士道は――
心底、嬉しそうに笑った。
(ああ、こいつは狂ってる)
でも、それを止める力なんて、もう――俺には、なかった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
初めてのノベル形式となりますが、
この物語のどこか一片でも、あなたの心に触れられていたなら幸いです。
NEXT♡→10⤴︎
コメント
6件
やばーーいめっちゃすき!!! 引越しのせいで忙しくてすぐ見れなかった🥲
ノベルでも最高すぎんの書けるのもう、才能やん、、 いつも最高です👍❤︎