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らむね瓶@フォロバ100%
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「…その羽はなんですか?」
ベランダで一服していると視線を感じたため、視線を感じる方へ目を向けてきたらそこには大きな白い翼を生やした少女?少年?…子供がいました。
「見てわかんない?翼だよ。天使の羽。」
当たり前かのように言ってきますが、この世界で天使の存在なんて聞いたことがありません。夢を見ているのかと思うほどの衝撃が目の前で起こっており、正直いうと頭が追いついていません。
「えーっと、コスプレですか?」
そんなはずはないと分かっていました。なぜなら、その子供は今私の目の前で宙に浮いているのですから。
「あは。笑えないね。コスプレに見える?失礼な人だね。」
ヅカヅカと遠慮なく言ってくる子供に心がづたづたにやられていきます。
「…すいません…でも、この世界で天使なんて存在しないはずじゃ?」
天使の存在なんて、ファンタジー小説でしか見たことないです。この世に存在したなんて聞いたこともない。本当になんなんだこの生物は。
「まー。それは天使を見たことある人がこの世に存在しないからじゃない?」
んーっと口を噤んで言う子供を目の前にあることに気がつきました。この子供を見つけてから、私は口しか動かせてないのです。いえ、口すら動かせてませんでした。
「つまり、私はこのまま…」
「そうだね。つまりお迎えだよ。」
天使を見た人がこの世に存在しないのは、天使を見た人全員がこの世からいなくなるからでした。この天使の子供を見つけてしまったら、自分の体全て動かせず、目の前の子供とテレパシーで話すことしかできません。…呆気なく終わってしまう人生なんですね。
「…思ったより、天使の羽って綺麗なんですね」
「君は一体天使の羽がどんなだと想像してたんだよ。…まあいいか。そんなこと知っても意味ないし。」
「…人生って思ったより呆気なく終わりますね」
「そうだね。」
「貴方は…天使として沢山の人の前に訪れているのですか?」
「…そうだね。」
「私は何人目ですか。」
「もうそろそろ黙ってくれない?君もう死んでるんだけど。」
そう言われて、下を見るとぐちゃぐちゃになったニンゲンがいました。赤い絵の具で塗りたくられたような見た目で、水風船のように割れています。
「案外、綺麗ですね。」
コメント
1件
うわ、めっちゃゾクッとした…「案外、綺麗ですね」って最後の台詞が切なすぎるよ😢 天使の羽が綺麗だって思う余裕、死を受け入れた瞬間の静けさが伝わってきた。現実感がふわっと消えてく感じ、すごく丁寧に描かれてる。真冬の花火さんの描く“終わり”の美しさ、また味わわせてもらいました🕊️🥀