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糖足
101
いつからだっただろうか、こんなことを考えるようになったのは。
いつからだっただろうか、この居場所が息苦しくなったのは。
いつからだっただろうか、彼奴のことを思うたびに、そばを離れなければと思うたびに、身体の芯がひどく痛むようになったのは。
…
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…
「なんだ、お前ら。」
橋の下に何か居るかと思ったら、人間だった。それも、男女の痩せた子供。否、身長からして10代後半であろう。過度な栄養失調といったところか。
「あの、通りすがりのあなたに言うのは失礼だと分かっているが…何か食べ物を持っていませんか?」
その言葉は弱々しくも、そして敬語とタメ口が混ざったものではあったが、こちらに敬意をもって話そうと言う意志を感じた。
「いいぜ、坊ちゃん。後ろのは手前の妹か?」
ビクリッと少年の肩が跳ねる。
「失礼した、これはただの子供の戯言だと思っていただきたい。銀、行くぞ。」
「う、うん」
妹…おそらく銀という名前の少女の手を掴み、震える足でその場から離れようとする。
「ちょいと待て。悪いな、今のは俺が悪かった。俺は手前のことも、妹の嬢ちゃんにも、手を出す気はさらさらねぇよ。」
その言葉に二人の足は止まった。
「俺はなぁ、ここいらで“探偵の仕事をさせてもらってる中原中也”っていうんだ。二人の名前は?」
そういって、二人の姿がある橋から一歩下がる。丁度日が顔を出したのか、太陽の光が全身を照らした。
「やつがれは…やつがれは、芥川龍之介。」
「銀…です。」
「そうか。…龍之介、銀、何が食べたい?」
(この人は、この人なら…!!)
にこりと笑う姿は、天使かと思うくらいに、輝いて見えた。
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皆さんこんにちは、作者の猫の小判と申します。まだ連載中のお話があるというのに、欲に負けて新しい話を書いてしまいました…。
付け足しなのですが、芥川が一度逃げようとしたのは、妹の銀に対して性的な目的で近づいたのではと思ったから(直前に中也は、「いいぜ、坊ちゃん。後ろのは手前の妹か?」というように、銀の存在について触れてきているため)。実際今までもそういう経験があったからこその警戒だったんだと思います。これに、中也も気づいたため謝罪しました。
私の書いた作品が、誰かの癖にささってくれたら、大変嬉しいです!コメントといいねなどなど、よろしくお願いします〜!
コメント
3件
第1話、読みました…! 冒頭の「いつからだっただろうか」の繰り返しが、芥川の内面の重さをすごく静かに伝えてきて、一気に世界に引き込まれました。栄養失調で震える龍之介と銀を、中也が「何が食べたい?」と聞くシーン、あの優しさが胸に刺さります…。「天使のように輝いて見えた」という一文に、この出会いの特別さが全部詰まってる気がしました。続きがすごく気になります🥀