テラーノベル
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中等部での生活も数ヶ月が過ぎ、二人の仲の良さはもはや学園の「名物」になりつつありました。
いつものように、涼架が待つ食堂へ向かおうと廊下を歩いていた時です。
「あ、元貴! 滉斗! ちょっといい?」
声をかけてきたのは、同じクラスの男子生徒たちでした。彼らは興味津々な様子で二人を囲みます。
「二人ってさ、小2から付き合ってるんだよね? さすがに長すぎない? 『倦怠期』とか、飽きちゃったりすることないの?」
倦怠期って、おいしいの?
「けんたいき……?」
元貴は、聞いたことはあるけれど自分たちには一生縁がなさそうな単語に、小首をかしげました。
隣に立つ滉斗も、心底不思議そうに眉を寄せます。
「飽きる? ……意味がわかんないな。昨日より今日の方が、元貴のことはもっと知ってるし、もっと大事だと思ってるけど」
滉斗が真顔で、呼吸をするようにさらりと言ってのけました。
「いやいや、そうじゃなくてさ! ずっと一緒にいて、ドキドキしなくなったり、一人になりたいなーって思ったりしないのかなって」
クラスメイトの言葉に、元貴はふんわりと微笑んで、滉斗の制服の袖をぎゅっと掴みました。
「うーん……僕は、一人になると音が怖くなっちゃうから、滉斗が隣にいてくれないと困るんだ。それに、さっきも授業中に滉斗が消しゴム拾ってくれた時、すごくドキドキしたよ?」
「……っ、お前、そんなこと思ってたのか」
「あ、うん。……言わなかったけど」
元貴の天然な「好きアピール」に、今度は滉斗が顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。
「……まあ、とにかく。俺らには倦怠期なんて来ないよ」
滉斗は照れ隠しに少し声を低くして、元貴の肩をぐいっと引き寄せました。
「こいつが何を考えてるか、声のトーンだけで全部わかるし、こいつが寝付けない時に俺がどうすればいいかも、俺が一番よく知ってる。……代わりのやつなんて、この世にいないんだよ」
(本当は、夜中に怖くなった元貴を自分のベッドに入れて、朝まで抱きしめて寝てることなんて、絶対教えられないけど……!)
そんな滉斗の独占欲全開のオーラに、クラスメイトたちは圧倒されて一歩後ずさりました。
「わ、わかった……。ご馳走様。二人の間には、入り込む隙間も倦怠期もなさそうだわ」
「あはは! また愛の告白大会してたの?」
いつの間にか後ろに立っていた涼架が、ケラケラと笑いながら二人の背中を叩きました。
「倦怠期なんて、この二人には100年早いよぉ。だって、保育園の時から見てる僕ですら、二人の仲の良さには毎日びっくりしてるんだから!」
「涼架さん! ……もう、行こう。お腹空いた」
赤くなった顔を隠すように歩き出す滉斗と、その後ろを「待ってよー」と笑って追いかける元貴。
涼架はそんな二人の後ろ姿を見て、「本当、最高の二人だよね」と独り言を呟きながら、一緒に食堂へと向かうのでした。
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