コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
9.自由
りんside
自由になりたい。
ふと思うことが増えた。
いや。大っ嫌いだった先生に会いたくて学校行ってるけど、もう何もかも捨てて離れたいなって思う時がある
1人になりたいというよりかは、やりたいことをのびのびしたい。
“ブーブー
朝の目覚ましほど嫌いなものは無い。
でも何だか今日は学校に行きたい気分。
ワイシャツに腕を通し教科書を詰める。
家から出たら太陽がまぶしく光っている。
片手に拳を作り学校へ向かう。
何かあった時のためのカッターを用意した。
もちろん人を殺す訳じゃなくて自分のため。
病んでるって言われるかもしれない。
痛いって言われるかもしれない。
でもそんなこと考えられないくらいに心が落ち込んでる。
もういっその事旅に出ようかな。
一人旅。
私は教室に入り何事も無かったかのように授業を受ける。
休み時間。
隣のクラスに行き先生を呼びにいく
みんなに囲まれて楽しそうに話してた先生をみて、話しかけるのをやめた。
たくさんの人のところに私は行く勇気がない。
教室も戻れず多目的室に駆け込む。
『はぁはぁっ、は、はぁ、だい、じょーぶ。』
自分に言い聞かせながら心を手を当てる。
先生と目はあったんだよ。
おねがい。きて。
『なにしてんの。』
いつもと違う人の声。
担任の花岡先生だった。
『勝手に居なくなられるの困るんだけど、ただでさえ学校も中途半端なのにこれ以上迷惑かけないでもらえる?わかったなら早く教室戻れよ』
『はぁ、は、はぁ、ぁ、』
『なに過呼吸の真似?ほんとに苦しんでる人が可哀想だから真似すんのやめろよ。早く教室戻れ。』
もうむり、倒れる。
『花岡先生。それは無いんじゃないですか?』
『笠井先生?問題児を注意して何が悪いのですか?先生も言ってやってください。』
『東雲。大丈夫か?』
『せ、せんせっ、、むり、』
私はそこから意識がない
目が開くと白い壁。また保健室か。
同じことしたな。結局また倒れて迷惑かけた。
『東雲さん。』
『花岡先生、』
『悪かった。』
この人に謝られても何も感じない。
心から反省してるように見えない。
『別に気にしてないんで、今日は早退します。』
急いで保健室からでた。
あんなやつと二人きりなんて耐えられなかった。
保健室から出て少し走り靴箱につくと、笠井先生が立っていた。
『大丈夫か?』
『はい。今日はもう帰ります。』
『気をつけて帰れよ。』
『ありがとうございます。』
靴を履き替えドアに手をかける
『あ!さっき俺のクラス来てたよな?どうしたんだ?』
そうだ。話聞いてもらおうと思って、
でもそんなこと言えない。迷惑かけちゃったから。
『いえ。なんでもないです。気にしないでください。』
『話聞こうか?』
『大丈夫です。』
かたくなに断ろう。家帰って支度をするんだ。
『いや俺が大丈夫じゃねぇ。ちょっとこっち来い。』
先生のいきなりの超低い声に思わずびっくりしてしまう。
怒ってるのかな。
先生顔を見ないで近づくと、なにか温かいものに包まれた。
それが先生だと気づくのは抱かれてた少しあとだった。
『なんでも話せって言っただろ。』
私は涙が垂れていた。
『私。先生がね、』
声が出ない。
もう先生から離れるって決めたから。最後に伝えたかった。
『先生。』
『ん?』
私は先生の胸の中で涙を1粒垂らして心の中で大好きです。と伝えた。
『また会ったら沢山話そうね。』
今言葉にできる最大の事だった。
これ以上は口が上手く動かせない。
『あぁ。また話そうな。』
『帰ります。』
『じゃあな。りん。』
まるで先生は何かを見透かしたかのような目で私を見て頭を撫でてくれた。
私はドアに手をかけて学校から出る。
もう絶対に振り返らない。
寂しくなりたくない。
本当にありがとうございました。
そう告げて学校の門を後にした。
家に帰ってスマホを開く。
LINEのお母さんをタップして、文字をうつ。
[自由に旅に出ます。]
それだけ送り、荷物を最低限持ち家を出た。
私は帰らないって決めたんだ。