コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
🎈「ここは、」
見知らぬ森の中。1人ぽつんと、立ち尽くす。あれ、僕は何して、。覚えてることを思い出そうとするが頭に痛みが走る。
🎈「い”ッッ、」
何か体が思い出すことを拒んでいるようにも感じた。
辺りを見渡すが人らしきものはいない。それよりも、森だというのに生き物の気配も一切なかった。そんな異様さに恐怖を覚える。
🎈「怖い、」
頭の痛み。この光景。本当に現実なのかと疑うレベルだった。
🎈「どうしよう、か」
行くあてもない。…少しだけ歩いてみようかな。恐怖に勝る好奇心。こんな状況で探索したいなんて思うのは僕だけだろう。
🎈「こうしてても、仕方ないし歩こう、」
1歩が重く感じたのは気のせいだろうか。
🎈「……」
何時間歩いた?何も変わらない景色に気が狂いそうだった。誰もいない、歩く音しか聞こえない、不思議な空間。
🎈「終わりが…見えない、」
結構歩いたというのに足の疲れもなければ、体力がないわけでもない。ここは、一体どこなんだ??
歩いたところで何の成果も得られなかった。
🎈「はぁぁ、」
退屈さと気持ちの疲労感に座り込む。体は異常がないのに心が音を上げてしまった。
そこら辺の木に身を預ける。終わりがない、この感覚。そもそも、ここが現実なのか?
🎈「ん、?」
疑問で頭が埋め尽くされていた時だった。ふと、足元を見ると琥珀色のキラキラと輝く宝石が落ちていた。その美しさは太陽に匹敵するほどだろう。半径は2cm前後といったところだろうか。
🎈「……」
気になり、手で持ち上げる。透明で透けており、目を奪われてしまう。これ…なんの宝石だろう。微かに差し込む光に宝石を照らしてみた。
🎈「へ、」
すると、宝石が何かを映し出していく。
【琥珀色の宝石。】
白の壁に右側には窓があり、窓の近くには無数の管がたくさんある。
🎈「病室…??」
白いベットに横たわっている誰か。これは自分…であってるのだろうか。
?「______ッッ、」
左側には金髪の青年が座っていた。顔にはモヤがかかっている。必死に何かを伝えようとしているが分からない。
?「_____。」
身振り手振りを見る感じ、悲しい話なのだろう。…誰が、。
追求しようと手を伸ばすが宝石が音を立てて粉々になった。
🎈「あっ!!」
目の前で粉々に砕けていく。幸い、目には入らなかった。力を入れてないのに、。こんなに脆いものなのか、?
🎈「ん、あれはまた…、」
キラッと地面が輝く。立ち上がり、輝くものを取りに行く。
🎈「今度は…、」
翡翠色をした宝石が転がっていた。いまさっきの宝石とは、また違った輝き。…安心できる。持ち上げ、明かりに透かしてみた。
【翡翠色の宝石。】
きゃっきゃっと聞こえる笑い声。家が並ぶ、夕暮れ時。ここは…
🎈「通学路…?」
いまさっきとは違う光景が広がる。公園や屋根の上で寝る猫。帰り道、か?
?「____、___??」
緑の長い髪が揺れる。こちらを振り向くが、また顔がかすれて見えない。
?「____っ、」
赤い日に照らされる少女。こちらに微笑んでいるようにも捉えられる。
手を伸ばすがまたもやパリんっ、と音を立てて割れてしまった。
🎈「ぇ、」
慎重に持っていたはずなのに割れてしまった。やはり、脆いのか。そう思い、上を見上げると今度は葉の部分にキラリと輝くものを捉える。
🎈「あ…、」
また見つけた。この宝石を見れば、僕がここにいる理由も分かるかもしれない。
🎈「よし、集めよう、。」
決意し、今度は木々へと手を伸ばした。
【薔薇色の宝石。】
古ぼけたステージ。数多く並ぶ椅子。
🎈「ショーステージか、」
遊園地特有の大きな音がステージの雰囲気をかき消している。
?「___〜!」
肩を叩かれ、勝手に後ろを振り向く。ピンク色の髪の少女がこちらを見ていた。顔は当然分からない。
?「____〜〜!!」
少女はぴょんぴょんして楽しそうだ。
また、手を伸ばすが肝心なところで宝石が割れてしまう。
🎈「また、か」
手を伸ばそうとする動作を起こしただけで割れてしまう。映し出されている映像を見てるのは僕なのかな、。
🎈「はぁぁぁ、」
小さなため息をつく。これで3つ目。あと何個あって…。
「みゃあああ」
🎈「へ!?!?」
目の前に白猫が通り過ぎる。…生き物!?森の中に猫ってありなの!?
猫はこちらを見るなり、ゆっくりと座る。しっぽを揺らして眠そうだ。
「みゃぁ?」
🎈「あ!!!」
首輪の部分にキラキラと輝く宝石が見える。ぶら下げており、簡単に取れそうだ。
🎈「みつけ…」
「ふにゃあ!」
🎈「うわ!?」
宝石を取ろうとした時、手を引っかかれる。爪立てられた!?反射的に手の甲を見るが傷1つ、ついてない。どうなって、。考える隙すら与えないかのように、猫が逃げていく。
🎈「ま、まって、!!」
「みゃ」
木々をするりと抜けていき、見失いそうだ。ダメだ。追いかけなきゃ。
白猫の後を追うように走り出した。
🎈「くっ、」
距離を縮めているのに捕まえられない。息切れしないことが救いだろうか。あともう少し手が長ければ、届く距離だったのに。するりとかわされてしまう。
「にゃあ♪」
🎈「うぅ、」
身を投げ出して捕まえにいくため、立ち上がる時間で逃げてしまう。毛繕いまでして余裕そうだ。何か手はないだろうか…。
「んにゃ!」
🎈「ん?」
白猫が何かに反応する。うつ伏せから体を起こし座るとズボンの上に赤いリボンが落ちてくる。このリボンどこかで…。
「んんんん、みゃぁああああ」
🎈「へ!?」
リボンを見つけて勢いよく飛びついてくる。あぁ、やっと捕まえた。そう思い、猫に触れた瞬間、
🎈「は!?」
「んにゃあ”ぁ”ぁ”」
目の前が光に包まれ、目を開けた先には、
白と赤色の宝石しかなかった。
🎈「猫がっ、宝石、、に??」
真珠色と首に提げていた紅玉色の宝石。わけがわからない。…本当に猫が、??それ以外考えられない。
🎈「分からないけど…このままじゃ、何も変わらない。」
ずっと眺めているなんて、自分からしてみれば考えられなかった。
🎈「ふーぅぅ、。見るしかないか、。」
2つの宝石を光に照らし…、
【真珠色と紅玉色の宝石。】
一面に広がる真っ青なキャンバス。そこにある、不規則な四角形がたくさん。
🎈「おく…じょう??」
風が強く、目の前には2人が立ち尽くしてこちらをじっと見ていた。
?「_____〜、」
?「_____♪」
髪が真っ白な少年と髪を片方に括っている少女。どっちもこちらを見て、笑っていた。
…だが、顔は見えていない。
じっと見ているだけで行動すら起こせない。
🎈「っ、」
何も変わらないが、今度は自分ではなく2人の方が手を伸ばしてきた。
🎈「え、」
思わず変な声がでてしまう。他の子とは違う。…助けてくれる、??触れるか、触れないか。その瀬戸際で、
__パリンッッッッ、
期待も虚しくどちらも割れてしまった。
🎈「あ、ぁぁぁ」
また、だ。これで5つ目。みんなこちらを見てたのに、肝心なところで割れてしまう。
…どうして、、、、
胸の奥が少しずつ痛くなっていった。